感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
なお
40
最澄と空海によって日本に伝えられた密教について分かり易く教えてくれる。紀元前6世紀頃、仏教が興ったインドでは以前からのバラモン教が衰退。紀元前1世紀頃、大乗的で高遠な仏教に代わり、バラモン教がインド土着の神々と結びつき「ヒンドゥ教」として復活する。これに対しインド古来の神々に大乗仏教(既に中国、日本には伝えられている)を加えて教義としたのが、密教である。故にヒンドゥ教に似た所があるとの事。豊富なカラー写真で、密教の宇宙観を表す両界曼荼羅の絵解きや密教的仏像、護摩供等の詳しい説明がある。印相や梵字の記載も。2024/03/10
moonanddai
8
密教入門なので、まずは視覚的にW。著者は天台系の方のようですが、それにしてもやはりわが一神教的浄土宗とは趣が異なります。多くの如来、菩薩、明王などなどなどがいます。ただ、感じたことは、大日如来(つまりは宇宙といったもの)との一体化とか、そのようなことを頭で理解しようとしてはいけないのではないかということです。灌頂や声明、護摩供ひいては山林修行といった行為まで(私は行うことはできませんが)視野に入れながら理解していかなければならないということでしょうか…。2021/03/23
うえ
4
金剛界曼荼羅について。「一番目の降三世三昧耶会には、同じ種類の法力が集められていて、抽象的な形(法具)で示されています。この抽象的な形を仏の姿にしたらどうなるかというのが、次の降三世会です。ここの中心に描かれているのが大日如来です。つまり降三世三昧耶会の中心には大日如来の法具が描かれていて、この二つは対応している…三番目の理趣会では仏の種類がガラっと変わってきます。この中心の金剛薩埵というのは、実は大日如来の化身…そして金剛薩埵が大日如来の化身であるという説明が、次の一印会の大日如来のところへいきます。」2025/06/05
らっそ
4
第1章「密教とは何か」に受験・世界史の残滓を組み合わせて読み通すと、密教の概要がようやくぼんやり見えてきたような、わかってないような境地に達した。仏教系の高校に通わせてもらってたのに情けない・・・。真言宗や天台宗にかぎらず仏教の諸宗派の関係と新左翼のセクトの関係は、根っこは一緒なのに、色々違うという点で似てるのかも。2015/08/04
toe
3
空海さんだけじゃなく、最澄さんも密教だったのね。小乗仏教、大乗仏教もキーワード。多面多臂(たひ)や多眼像が特徴で、密教の仏像さんはかっこいい~!比叡山の回峰行に3日間だけ参加(三日坊主(笑))した過酷なレポートがすごかった。そもそも密着が許されたのもすごいし、上下スウェット(正装は白装束)で参加したのも驚きで、そのへん詳しく聞きたいです。2022/05/06