内容説明
わが犬わが猫。彼らについて想う時、いつも意外な感情がわき起こる―文学者たちの微妙な視線上の犬と猫。
目次
家族としての犬と猫について(庄司薫)
一匹の犬が二匹になる話(マルセル・ベルジェ;森鴎外訳)
母親(ガブリエル・ルイヤール;堀口大学訳)
美しき犬・愛猫(室生犀星)
ポチ(二葉亭四迷)
畜犬談(太宰治)
雑種の犬(遠藤周作)
ピエロ(ギ・ド・モーパッサン;青柳瑞穂訳)
お富の貞操(芥川龍之介)
白い犬(永井龍男)
犬(安部公房)
猫踏んじゃった(吉行淳之介)
犬・猫(ジュール・ルナール;岸田国士訳)
交尾(安岡章太郎)
お犬さまの天国(開高健)
猫の教訓(オールダス・ハックスレー;柳瀬尚紀訳)
不老長寿(庄司薫)
猫の墓(夏目漱石)
犬死でない死(五木寛之)
猫に呼びかける(トーマス・エリオット・北村太郎訳)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gen Kato
1
庄司薫氏による犬猫名作アンソロジー。庄司氏によるまえがきエッセイの結末にしんみり。やはり二葉亭の『平凡』、欠かせませんよね!2016/02/10
moonanddai
1
犬について書き始めると、何故か最後は「別れ」につながることが多いのは何故なんだろう?最初の、犬を捨てに行って、もう一匹連れてきてしまう話なんかはほのぼのしたり、変に納得したりするんだけれど、大抵は泣けてきてしまう…。太宰治や安倍公房みたいに、「嫌いだ、嫌いだ」と言い続ける場合も含めて、やっぱり犬は人の心に入り込む(あるいはこちらがそれを許す)存在なのでしょう。(モーパッサンの場合も含めて…w。)でもやっぱり別れは辛いものです。分かっていてもまた繰り返す…。嗚呼。2014/10/05