新潮日本美術文庫<br> 松本竣介

新潮日本美術文庫
松本竣介

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  • サイズ A5判/ページ数 93p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106015656
  • NDC分類 723.1
  • Cコード C0371

出版社内容情報

画家の評価、作品の解説、生涯と時代を対照した年表に最前線の研究成果を生かし、全32図で画家の全貌をつかむ。

目次

作品
松本竣介 戦時下の画家―松本竣介の人と作品
年表=松本竣介とその時代

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

masa@レビューお休み中

77
松本竣介さんの絵は苦手でしたね。中学、高校の美術の教科書に載っていたことは覚えているんです。でも、いつもも流して見て終わっていました。ところが、カフェにあった画集を何気なく見てみたら…。昔の苦手感がなくなり、むしろ好感すら持ってしまいました。緻密で、繊細で、真面目で…。彼の人柄出ている絵に惹かれてしまう自分がいたのです。黒、茶色、青、灰色といった冷めた色の世界が、どこかこの世界とリンクするような気がしてしまったのです。2016/11/20

新田新一

29
松本竣介のことは知りませんでした。透明感があり、詩情あふれる絵を描いた人です。後半に松本俊介の生涯のことがまとめられており、13歳の時に聴覚を失ったことを知りました。画家として活動し始めた時期が戦争と重なっており、難しい時代を生きたことが分かります。そんな困難の中で明るさを感じさせる絵を描き続けたことに心を打たれます。19の「画家の像」が特に心に残ります。軍部の依頼で書かれたそうですが、戦意を鼓舞するようなところはありません。若い画家の視線は遠くを見つめて、芸術の意味を探そうとしているように見えます。2024/12/29

oz

7
初読。松本竣介(1912〜1948)は洋画家。東京生まれで太平洋洋画会に入会。都市風景を好んで描く画家として知られ、対象をモンタージュ的に画布上に配置していく作風は、都市という風貌そのものを写し取ろうとする理知的なものである。青ないし青緑を好み、画布全体に使用し、直線的な輪郭線を多様する作品郡は一様に静謐な印象である。読書家で理論家でもあり、美術理論も著した。特に太平洋戦争中、軍部からの批判や戦争画の制作の強要に応答した文章『生きている画家』は画業と並んで有名である。気管支喘息により早世。2014/10/13

deerglove

4
ひさびさに、この絵が欲しいと、強く、思いました。〈街〉や〈都会〉の何ともいえない色使いや独特な構図、世界観。〈街角〉〈ニコライ堂〉〈Y市の橋〉などの質感、空気感。自分がよく知っている場所だからこそ、そこがどこでもない場所へと変化する不可思議な力に魅了されました。2016/06/04

3
美術館で竣介の《画家の像》をみたとき涙が出た。 仁王立ちする竣介と、その傍に妻子があり、背景には戦争の惨禍が描かれている。時代に翻弄されながらも、画家として、父親として、生きようとする竣介の強さを感じる作品だと思った。俊介の時代や街を俯瞰しているような作品がすごく好きだ。 本書を読み、このころの作品に藤田嗣治の影響がみられると分かった。 《都会》(1940)《並木道》《五人》もお気に入り2022/12/08

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