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出版社内容情報
画家の評価、作品の解説、生涯と時代を対照した年表に最前線の研究成果を生かし、全32図で画家の全貌をつかむ。
目次
作品
明治の夢 郷愁の色―鏑木清方の人と作品
年表=鏑木清方とその時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaori
32
再読。美人画の大家として西の松園、東の清方と謳われたが、私は断然清方が好きだ。何故清方なのか?改めて考え直してみても、それは清方の描く「直形(すぐかた)」つまり「すがた」に他ならない。もう10年以上前になるが、隣県で清方の「妖魚」を展示するとあって友人を誘って観に出掛けた。屏風の中に佇む人魚に婉然と笑いかけられ、放心しながら帰途についた覚えがある。市井の人を描きつつ際立つその美しさに憧れるのは、私も直形の良い人になりたいと思うからかな?2014/12/12
りー
20
なんの展覧会だったか、まだ十代の清方の白描…デッサン?を見て上手さにびっくりしたことがありました。どちらかといえは松園さんの方が好きなので、あまり興味を持っていなかったのです。父親が新聞社をやっていて、新聞記事の挿し絵を描いたことが画業のスタートだったと読んで、納得。その新聞社には月岡芳年や水野年方が雇われていたそうです。人魚を描いた「妖魚」や、長女をモデルとする(読友さんがアイコンにされてる)「朝涼」など、何点か好きな作品があります。履き物や装身具、着物の柄などまで解説で味わいました。2021/01/31
コーデ21
6
11月に行った「鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開」展の復習を兼ねて。これまで鏑木清方の美人画は「男性目線の理想の美しさ」という印象が強かったけど、同展でそのイメージが大きく覆され!「築地明石町」から放たれる生々しいオーラは圧倒的でした(〃▽〃) 実物鑑賞にはかなわないけど、ハンディサイズ&カラー本でジックリと観ることが出来て嬉しい一冊でした。2019/12/19
oz
6
初読。鏑木清方(1878~1972)は日本画家。幼少期より浮世絵を学び、画工として新聞小説の口絵描きを始め、やがて細密な美人画で官展に出品し名が知られるようになる。洋画との接触後に始まった近代美人画の到達点とされている。浮世絵と挿絵の影響か、一幅の絵画でありながらそこに物語性を読みとれる作品が多く、同時代の女性を多く描いた。画壇政治を嫌い、徹底して距離を置いて生涯を在野の画家、展覧会は一出品者を貫いたが批評的にも大衆的にも評価は高かった。妖艶な女性美を追求し、同時代に活動した上村松園には批判的であった。2014/10/05
satoshi
6
美人画家・鏑木清方の作品とその解説。鏡花の文に清方の挿絵って,当時の本は贅沢すぎる! 「桜姫」「薄雪」「築地明石町」などの作品を見て,着物って本当に美しいなあとひたすらため息。 池内紀の解説もさすが。図書館で借りたんだけど,あらためて購入する予定。手元に置いておきたい一冊。2010/02/27