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出版社内容情報
画家の評価、作品の解説、生涯と時代を対照した年表に最前線の研究成果を生かし、全32図で画家の全貌をつかむ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bashlier
13
5/5 最愛の画家、藤島武二。師匠である黒田清輝はご自身が貴族階級であることもあり、フランスの華やかさを美しい作風で描かれました。対して、藤島はあえてダークトーンで”黒扇”(1909年)を描き、”女性画に黒を使ってはいけない”という師匠の鉄の掟を逸脱。シャネルの黒がファッション業界を席巻するのが1912年。師匠には見えていない新しい風が見えていたんですね。そして、その後に描かれた”東洋振り(1924年)”は日本画最高峰とお見受けします。本も良いですが、やはりARTIZON美術館で生作品を。2023/03/05
更紗姫
7
カレンダー(だったと思う)を切り抜いて本棚に貼ったのは中学生の時。全面にボンドを使ったらしく剥がせない。以来、「黒扇」は私の青春時代をずっと見てきた。どこに惹かれたのだろう?視線とあごの上げ方、雰囲気が何とな~く母に似ている気がするの。勿論、母はこんな美人ではないけれど、生活苦に塗れていなければ・・・ちょっとだけこんなイメージが? 解説にあるように、〈理念を伝えるまでには至らなく〉とも、「心地」がそして「心地よさ」が与えられる作品の数々を、再発見した。「菊(湖畔静物)」は、是非実物を観たいものです。2014/09/08
oz
5
初読。藤島武二(1867〜1943)は洋画家、特に柔和なタッチで描かれた女性像で知られる。黒田清輝に見出され、東京美術学校の助教授となるが、それ以前の経歴は不明な点が多い。薩摩藩士の家に生まれ、父と兄を喪い、中学校教員として一家を支える立場であったことや、当時の国粋主義的風潮から考えても、苦難の日々に模索の中での洋画習得であったことが想像できる。助教授就任後は滞欧の機会も得、国内での洋画の地位も向上する。しかし美術団体の政治化が進行し、才能を発掘する場でなくなりつつあることを重ねて指摘していた。2014/10/05
sk
2
溶け合っていく。2013/11/27