感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かずほ
1
登場人物の帰属感の無さが人との縁から、吹雪の情景描写から悲しいくらいに伝わってきた。「空洞同士がつながり合う」という力蔵の結論も、「言葉に織り上げられ、言葉の中に棲む」という累子の結論も、人々が織りなす時間の中で繋がることを諦めた結果のことで、悲しくはあるけどそれ以上にそのような結論を出させた登場人物の民度低すぎだろ…って思った。小学生の頃、北海道のスキー場で迷子になって、「夜の広大な雪原の中をたった一人でいる」という状況になったことがあるのだけど、そのことを思い出した。2024/03/03