内容説明
1908年3月、パリのカルチェ・ラタンに旅装を解いた二人の若者がいた。後の作家永井荷風と建築家ル・コルビュジエである。彼らが見たパリ―それは、20世紀の都市生活、芸術、思想の原点に他ならなかった。だが、以後二人は全く正反対の理想都市を追い求める。裏町に魅かれ、遊歩者の視点を説く荷風。他方超高層ビル建ち並ぶ都市への再開発を推し進めようとするコルビュジエ。二人の芸術は、そうした都市観の下で、発展していった。本書は、都市を機能や施設だけではなく、人間の生と死の場所を捉え、二人の生涯を主軸に、これからの都市像について考える。
目次
第1章 ふらんす物語
第2章 春の祭典
第3章 都市の憂愁
第4章 夜の果てへの旅
第5章 海辺の墓地
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さぜん
34
文学者永井家風と建築家ル•コルビジェの2人を惹きつけたパリ。20世紀初頭のパリが1番輝いた時期に滞在した2人の半生を描き、建築と芸術から見る都市論が展開される。大戦後の荒廃から、多くの人が暮らす居住空間を、建築家は目の前の空間だけでなく、時をも超え広い視点で考え設計する。これまで建築にさほど興味を持っていなかったが、都市計画から文化•芸術まで多くの分野にまたがることを知り、視野が大きく広がった。まだまだ知らないこと、面白いことは山ほどあるのだなあ。2025/09/02
Monty
3
コルビュジエの伝記っぽいけど、面白かった。パリという都市が二人に与えた影響は異なれど、見方を変えると、都市そのものの可能性、魅力は尽きることがないのかと。そして図らずも、時代に翻弄された二人が辿り着いたのは各々の原風景のような気がする。これだから、都市は面白い。2025/02/08
BananaBoyfriend
3
三百万人の現代都市やアルジェの計画を見るとコルビュジエが純粋な芸術家だと思い知る。政治性が強い都市計画では彼の芸術は実現できなかったが、機械時代の新しい建築・都市をつくる熱意は圧倒的だった。他者に迎合せず自分の芸術を追求する彼にしか真に新しい建築は作れなかったと思う。荷風は近代文明に対する疑問からパリの裏通りや東京の江戸的風景に憧れる。帝都復興に画家や作家が関わっていないことに苦言を呈したのはその通り。後期のコルビュジエも都市や建築の人間的部分を尊重するようになり正反対の2人が最後に交わるのは面白い。2020/11/19
tuuli
3
大好きな荷風とル・コルビュジエ、そして彼等とパリとの関わりについて書かれた本。特にコルビュジエがどの様な人物だったのかが分かり興味深かった。トレードマークである丸眼鏡、蝶ネクタイ、スーツのコルビュジエ・スタイルについて、彼や妻の性格の事、サン=テグジュペリとの出会いと建築思想の変化、学生時代の事、など。今まで建築物の写真を漠然といいなぁ思いながら見ていただけでしたが、彼の性格や生き方について知る事で、これからもっと作品(建築物)を理解し、楽しみ、深く見て行ける気がした。2015/05/19
takao
2
ふむ2023/03/29
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