内容説明
多様な微生物の世界を一見オーソドックスなスタイルで紹介する本書は、しかし私たちにとってさまざまな意味で刺激的である。レーウェンフックにはじまり、パストゥールとコッホを経て現代に繋がる微生物研究の歴史を描いた前半は、新鮮な驚きと興奮に満ちている。人類にとって微生物とは、まず第一に身の回りの自然に棲息する奇妙な微小の生物であり、そして発酵を促す酵素であったのだ。そして著者の研究分野である土壌細菌について語る後半は示唆的である。パストゥール以来の純粋培養法では微生物の全体像を捕らえることはできない、「増殖」する細菌はむしろ正常から逸脱した状態である、という著者の主張は、次世代の微生物学を予感させるだろう。
目次
第1章 微生物の発見と確かな理解
第2章 微生物から生命の探究へ
第3章 微生物からみた地球環境、生物世界
第4章 微生物世界の内部へ
感想・レビュー
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