内容説明
日本人は欧米の住宅や街や公園の豊かさを羨むが、それは住む闘いの成果だ。私費を投じて労働者住宅を作ったナポレオン3世、2万人が家賃ストライキに入ったグラスゴウの借家人、低家賃住宅を寄付したロスアンゼルスの不動産会社…。これは、私の見た「欧米ウサギ小屋脱出物語」である。欧米はいかに住宅不足を解消したか。アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスの闘いを語りながら住宅無策日本に提言する。
目次
第1部 アメリカのデモクラシー(シカゴのルネッサンス;不動産会社が寄付したドヤ街婦人センター;まちづくりは住民合意で)
第2部 西ドイツの住宅哲学(シュトルベルクのたたかい;生まれかわったシュトルベルク)
第3部 フランスの居住思想(ラ・クールヌーヴの反乱;それは一人の幼児の凍死からはじまった;「宮殿」に住む低所得者)
第4部 イギリスの社会主義(戦争便乗の家賃値上げは許さない―第1次世界大戦下グラスゴウの家賃ストライキ;住宅かけこみ寺「シェルター」―ホームレスをなくそう;“キャシー・カム・ホーム”)
エピローグ 欧米で日本を考える