内容説明
ジョン・ル・カレ、イアン・フレミング、グレアム・グリーン、サマセット・モーム…。元スパイだった彼らの作品はいかなる状況のもとに生みだされたのか。作家の実人生と作品との関りあいを綿密に探る。
目次
第1章 アースキン・チルダーズ―大胆不敵なスパイ
第2章 ジョン・バカン―ロマンティックなスパイ
第3章 サマセット・モーム―退屈したスパイ
第4章 グレアム・グリーン―扱いにくいスパイ
第5章 イアン・フレミング―颯爽たるスパイ
第6章 ハワード・ハント―知りすぎたスパイ
第7章 ジョン・ル・カレ―生まれながらのスパイ
エピローグ レン・デイトン―控え目なスパイ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
叛逆のくりぃむ
7
イアン・フレンミングは彼の執筆した小説よりも彼自身が歩んだ人生の方が何百倍も面白いことが理解できた。ジョン・ル・カレは所謂毒親育ちで、その生い立ちが共通した小説のテーマである「裏切り」にも深い影を落としていることが興味深い。2016/06/28
印度 洋一郎
2
実際に諜報活動に従事し、且つスパイ小説を書いた作家達の列伝。ロシア革命の工作を行った(が失敗した)サマセット・モーム、第二次大戦から冷戦まで活動したグレアム・グリーン、冷戦下の西ドイツで東側の情報収集をしたデヴィッド・コーンウェル(ジョン・ル・カレ)などなど多士済々。イギリスの諜報機関は、ユニークな人材を一本釣りしていたのがわかる。その中でもやはりドラマティックなのは、「007」の作者イアン・フレミング。第二次大戦下に海軍情報局で活動し、次々と大胆な作戦を立案し、その押しの強さと人たらしで強引に実現させた2022/09/28
tegi
1
ル・カレの項のみ読む。現実を否定し自分と周囲を騙し続けた父親との関係、ロマンティックなスパイ生活を求めた若い日々、など、ル・カレ作品を読むにあたっての足がかりになるエピソード多数。特に父との関係、TTSSの少年ビル・ローチのモデルのあたりには、心を打たれる。2012/05/01
悸村成一
0
原書(1987年)の5章ぶんは未訳らしい。長編スパイ小説をいまだに私は1冊も読んでいないので先の読書が楽しみ。図書館本。 42016/01/08
nukuteomika
0
何らかの形でスパイ活動も行っていたスパイ小説家の紹介。作品論も読みたかったものだが、そんなものが不要なくらい有名な作家たちということか2010/10/14