内容説明
日本の宗教史に正しく位置づけられなかった修験道が、なぜいま問われるのか。それは実践宗教のもつ生命の息吹きに、宗教の根源のあることを気づきはじめたからではないのか。山に籠り、山を駈ける行(ぎょう)の世界は、無言のうちに、現代にもっとも緊要な生命観・宇宙観を提示している。修験道には、日本人の神信仰・神仏習合の宗教世界を解く鍵が秘められ、それは宗教が生命の問題であることを教えてくれる。
目次
1 実践宗教としての修験道
2 大峯山の修験道―全長200キロの〈奥駈け修行〉
3 出羽三山の修験道―秋の峯入り修行―死から生へ
4 比叡山の修験道
5 修験道―実践が生む思考世界