感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
21
近代トルコ建国の父、最も成功した独裁者、神謀の将軍、救国の英雄...数々の修辞が追い付かない超人的な人物。端々に明治維新との比較になぞらえる事で、馴染みが少ないトルコの近代史も日本人にも判りやすい。約30年前の著書だけど、時代による偏りを全く感じさせないところも良い。親トルコ・知トルコ派になりたいと思わせる傑品です。2012/08/26
ひろ☆
12
トルコ共和国・建国の父。彼の「日本を見習え!」や親日ぶりを見ると、日本人ってすごいんだなと。ケマルの人物像、気迫が!トルコの歴史になじみがないと、やや難しい。2015/09/15
澄
9
ケマルの偉業と当時のトルコと日本の比較。日本を見習えということで間接的に日本の良さを再認識できるが、現在の日本と比較すると果たして日本(人)は素晴らしいのか、、、考えてしまう。2015/09/25
デビっちん
7
トルコの尊父、アタチュルクの物語。歴史上類を見ない「正しい独裁者」 明治維新より遙かに難度の高いトルコの近代化を不屈の意志と行動力で一代で成し遂げた鉄人の一生。イスラム世界で初めて「制度」を「信仰」へ変え、政治と経済の基盤を築いた。重い国家原理の崩壊が必要なかった明治維新と対比して書かれていることで、その偉大さがより伝わってくる。強烈な個性と勇気で困難に自分から突撃し、集団の信頼を勝ち取った。変革を起こすときは、こういうリーダーが必要であり、その一生をトレースできる本書は素晴らしい。2015/09/22
印度 洋一郎
4
「斜陽のオスマン帝国に出現した一代の英傑」という感じに綴られる、現代トルコ建国の父アタチュルクの評伝。明治維新に準えつつも遥かに困難な状況下で、滅亡した帝国から新たな共和国を作り上げた、その激烈な軌跡がぐいぐいと読ませる。そして、トルコ史の研究者である著者が、冷静に書こうとしつつも、その足跡を知るほどに傑出したカリスマ性に魅入られていく、心地良い葛藤のようなものが行間が滲むのが読みどころ。60年代半ばに現地で出会った、リアルタイムでトルコ建国を体験した人達の熱いアタチュルクへの敬慕の念にも圧倒される。2019/02/13
-
- 洋書電子書籍
- Knowledge-Based Sys…