出版社内容情報
死んだはずの元恋人と一緒に旅に出る、アメリカのいまを描いたゾンビ小説。心を病んでいた元恋人リリーが自殺を図ったらしい。僕は慌てて駆けつけるが、時すでに遅し、もう埋葬されたという。だが失意の僕が墓地に行くと、生前ほぼそのまま(ただし少し腐りかけ)のリリーが。彼女の願いは「死体農場」に行くこと――全米批評家協会賞受賞、トランプ時代のアメリカを映し出す不思議なロードノベル。
【目次】
内容説明
死んでいる状態で現れた元恋人と、歴史を横断する最後の旅が始まる。まさかの出来事ばかり起こったアメリカの2016年と、南北戦争直後の時代が、死をめぐる言葉で結び付く。弔いを軽妙洒脱に描いた全米批評家協会賞受賞作。
著者等紹介
ムーア,ローリー[ムーア,ローリー] [Moore,Lorrie]
1957年、ニューヨーク州生まれ。大学卒業後、弁護士事務所勤務を経て、コーネル大学大学院創作科に入学。修士論文として書いた短篇小説が認められ、Knopf社から短篇集『セルフ・ヘルプ』を刊行しデビュー。短篇小説の名手として知られる
栩木玲子[トチギレイコ]
1960年生まれ。法政大学名誉教授。専門はアメリカ文学・文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
40
「怪作」と言って差し支えないであろう程に奇妙な小説ではあるが、生と死の(あるいはもっと拡大した)境界を巡る普遍的なテーマは割と掴みやすいように思う。避けられない終わりを間近に控えた恋人同士(?)の短い旅は、不気味さと馬鹿馬鹿しさ、そして胸が痛くなるほどのロマンスが溢れていて不思議な魅力がある。愉快で物悲しいナンセンスな会話劇もなんだか癖になりそうだった。ロードノベルというと往々にして目的地があるものだが、この小説の主人公フィンは納得のいけるどこかに辿り着けたのだろうか。2026/04/23
M H
23
ホスピスにいる兄に話しかけるフィンに届いた知らせ。以前から心を病んでいた元恋人リリーが自殺を図り、到着すると埋葬済み。間の悪いフィン。ところが墓地には生前ほぼそのままのリリーが。彼女の願いを叶える短い道中に交わされる会話はあちこち飛んで引用も多く、理解できたとはいえないのに愉快で切なかった。隣にいた、いるのにどこか遠くの人を愛してしまったフィンの心境如何。2026/05/13
ズー
19
本書原題と違うが、このタイトルはわかりやすい!しばらくどうなっていくんだろと思いながら読んでいったが、想像以上に死んでる元カノだった!彼だからこそそんな彼女に会えたのかと思うと切なくなる。リリィが病気の影響で死にたがることにより、常に状況は生きるか死ぬかで不安定だったから、見た目は変わっていくけれど、生きてても死んでいてもリリィといるのは、同じ感じだったのかもしれないと思ったり。途中で挟まれる昔の手紙、昔と現代の分断の世界。史実も混ざっていて(!)分離してるような溶け合っているような不思議な話だった。2026/05/22
ほたる
10
捨てきれない愛の感情を奇妙な出来事とともに見つめ直す物語。道中での彼女との小粋なトークは楽しげで、彼と彼女だけの世界が形作られていてとても良いなと思った。日常と非日常の境目は曖昧で、愛する者の「死」はどこか夢に似たものなのかもしれない。2026/05/02
isbm
1
★★★2026/04/29




