新潮クレスト・ブックス<br> 春

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新潮クレスト・ブックス

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  • サイズ B6判/ページ数 331p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105901806
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

相棒を喪った老演出家と、移民収容施設で働く女。ある少女との出会いが二人にもたらした変化とは――。社会の分断を描く四部作の春篇

内容説明

かつては記憶に残るテレビ映画を多く作ってきた演出家リチャードは、長年の相棒だった女性脚本家パディーを病で亡くした絶望から、ある日打ち合わせをすっぽかし北へ向かう列車に乗った。一方、移民収容施設で働くブリタニーは、収容者の処遇を恋人に批判されながらも仕事をやめられない。その彼女の前に、収容所長に直談判し収容者用トイレの清掃を実現したと噂の少女フローレンスが現れた。北へ向かうというフローレンスを追い列車に乗るブリタニー。二人はスコットランドの片田舎でリチャードと出会い、フローレンスを知っているらしい地元女性の車に乗る。偶然から始まった旅は四人をどこへ導くのか。EU離脱で混迷が深まるイギリスを描く「四季四部作」の春篇。

著者等紹介

スミス,アリ[スミス,アリ] [Smith,Ali]
1962年、スコットランド・インヴァネス生まれ。ケンブリッジ大学大学院で学んだ後、エディンバラの大学で教鞭を執るが、ケンブリッジに戻り執筆に専念。デビュー短篇集Free Love and Other Stories(1995)でサルティア文学新人賞を、長篇The Accidental(2005)でホイットブレッド賞を、『両方になる』でゴールドスミス賞、コスタ賞、ベイリーズ賞を受賞。現代イギリス文学を代表する作家の一人

木原善彦[キハラヨシヒコ]
1967年生まれ。大阪大学教授。ウィリアム・ギャディス『JR』の翻訳で日本翻訳大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

111
四部作の三作目。今回も奇妙ながら文学的な味わいのある物語を面白く読めた。不思議な読み心地だが、現実を見つめる眼差しは強く、現実の違和感を喪失と虚無から浮かび上がらせている。移民という考え方や他人の人生のデータを抜け目なく利用する社会。「あなたは誰の物語でもない」、誰かに消費される存在でもなく、ゴミのように扱われる存在でもない、現実でもネットでも。そういった思いがアリの知的で魔法のような自在な文章で綴られる。本物の希望に満ちるとは何か。季節は常に巡る。願いは再生の季節へ。途中、"秋"を再読したくなった。2022/06/02

どんぐり

98
アリ・スミスの四季4部作の3冊目は「春」。愛する人を亡くした映像作家が列車から降り鉄路に横たわるまでの回想、そこに入国者退去センターの保護官と12歳の不思議な少女の物語が加わり、旅の様相を呈する。そして、イギリスのEU離脱、移民政策などちんぷんかんぷんな話がいくつもいくつもパッチワークのように貼り込まれていく。それを紐解いていくと消耗するので、わからないままにしておく。次は「夏」だ。物語の中で映像作家が語る、テリー・ジャックスの「そよ風のバラード Seasons in the Sun」を久しぶりに聴いた。2022/11/17

アキ

97
テーマは分断。3部構成。IRC(入国者退去センター)収容者とその仲間が登場人物だが、筋はあってないような小説。EU離脱が背景にあり、イングランド自体スコットランド、ウエールズ、アイルランドとの戦いと連合の歴史が今も影を落とす。1746年イングランドとスコットランドのカロデンの戦いからわずか二百年程。3月はローマの戦争の神マルスが起源の月。グレゴリオ暦で始まりの月。現代芸術家のタシタ・ディーンは春のエッセンスが詰まった空気の塊を蒸留して得られる金のオイルは万病に効くと言った。散文的な文章で成り立つ小説。2022/04/12

がらくたどん

71
急がないと夏になってしまう!動きの少ない舞台をじっくり味わった「秋」テキストは分かりやすいのに突飛な舞台設定がなかなか飲み込みにくかった「冬」と来て、「春」では退去センターに収監された移民と分離されたその家族(児童)の自由を問うかなりクリアな物語の構造が、古い物語・新しいツイート・記憶の断片・子どものなぞなぞといったポップアップされたようなテキストの集積で描かれる。今までで一番読みにくいテキストで一番自明な(目を逸らしているにせよ)物語を読まされ「言いたい事を言いつつ煙に巻く」とはまさにとその極意を知る♪2023/06/03

ヘラジカ

61
不安定で非情な社会を描いた一種政治的な小説であるにも拘らず、作者の遊び心と希望に満ちた眼差しは、読者を心から楽しませてくれると同時に温もりをも残してくれる。相変わらず読了後すぐさま最初から読み返したくなったが、その衝動は『秋』『冬』を合わせた三作のなかで最も強かったかもしれない。現実を物語として紡ぐまでの即時性はもちろん、日本語でも読めるようになるまで然程時間が掛からなかったことがとにかく素晴らしい。あとがきを読んで『夏』の刊行前にすべて読み返そうと決心した。完結が本当に楽しみでならない。2022/03/27

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