出版社内容情報
北の果てに消えた恋人へ、あなたは誰のためにそこに行くのか。女は手が届く確かな幸せを願い、男は国家の繁栄を求めて旅に出た。貧富の差や数々の苦難を乗り越え、激動の20世紀ドイツを生きた女性オルガ。彼女が言えなかった秘密、そして人生の最期にとった途方もない選択の意味が、最果ての町に眠る手紙で解き明かされる――。ひとりの女性の毅然とした生き方を描いて話題となった最新長篇。
内容説明
19世紀末、貧しい家庭に生まれたオルガは、誰にも媚びないまっすぐな性格を気に入られて農園主の息子ヘルベルトと恋仲になる。だが結婚は許されず、行き場のないヘルベルトは北極圏への無謀な冒険に出たまま、消息を絶った。その哀しみを乗り越えて半世紀あまり、オルガは途方もない行動に出る―。激動の20世紀ドイツを毅然と生きた女性を描く人気作家の最新長篇。
著者等紹介
シュリンク,ベルンハルト[シュリンク,ベルンハルト] [Schlink,Bernhard]
1944年ドイツ生まれ。小説家、法律家。ハイデルベルク大学、ベルリン自由大学で法律を学び、ボン大学、フンボルト大学などで教鞭をとる。1987年、『ゼルプの裁き』(共著)で作家デビュー。1995年刊行の『朗読者』は世界的ベストセラーとなり2008年に映画化された(邦題『愛を読むひと』)。現在、ベルリンおよびニューヨークに在住
松永美穂[マツナガミホ]
早稲田大学教授。訳書にベルンハルト・シュリンク『朗読者』(毎日出版文化賞特別賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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