Crest books
五月の雪

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  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105901370
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

仄暗い歴史を背負う極寒の町マガダン。この土地で暮らす人々の哀しみと喜び。米国注目のロシア系移民作家による、鮮烈な連作短篇集。目を細めると、今も白い雪山が見える――。米国注目のロシア系移民作家が描く、切なくも美しい9篇の物語。同じ飛行機に乗りあわせたサッカー選手からのデートの誘い。幼少期の親友からの二十年ぶりの連絡。最愛の相手と死別した祖父の思い出話。かつて強制収容所が置かれたロシア北東部の町マガダンで、長くこの土地に暮らす一族と、流れ着いた芸術家や元囚人たちの人生が交差する。米国で脚光を浴びる女性作家による、鮮烈なデビュー短篇集。

クセニヤ・メルニク[クセニヤ メルニク]

小川 高義[オガワ タカヨシ]

内容説明

同じ飛行機に乗りあわせたサッカー選手からのデートの誘い。疎遠になっていた幼馴染からの二十年ぶりの連絡。アメリカ人に嫁いだ娘と再会する母親。最愛の妻と死別した祖父の思い出話―。かつて強制収容所が置かれたロシア極東の町マガダンで、長くこの地に暮らしてきた家族と、流れ着いた芸術家や元囚人たちの人生が交差する。温かな眼差しと、煌めく細部の描写。米国で注目を集める女性作家による、清新なデビュー短篇集。

著者等紹介

メルニク,クセニヤ[メルニク,クセニヤ] [Melnik,Kseniya]
1983年、ロシア北東部の町マガダンに生まれる。1998年、15歳のとき家族とともに米国アラスカ州に移住。ニューヨークのコルゲート大学で社会学を専攻したのち、様々な仕事に従事しつつ、文芸誌に小説を発表し始める。ニューヨーク大学で創作修士号を取得した後は、教鞭を執りながら執筆を続け、2014年に第一短篇集となる『五月の雪』を刊行する。現在はロサンゼルスに在住

小川高義[オガワタカヨシ]
1956年、横浜生まれ。東京大学英文科大学院修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

132
クレストブックを読む前には、帯とか裏表紙とか一切読まないと決めている。読む前に知りたくなかったなということが少なからずかかれていたりするから。今回だけは読んでいたら良かったな。ロシア作家にしては…の違和感の正体はこれだったのか…。彼女が自分のルーツを思い、残すべきだと思ったことたちが描かれている。ロシアからソ連への流れ、ジュンパ・ラヒリを思わせるアイデンティティの捉え方、独特な郷愁感。期待したロシア女性作家の毒みたいなものについては、肩透かしだった。2021/01/25

藤月はな(灯れ松明の火)

105
ロシア極東の小さな町マガダンを巡る住人達の物語。「この物語の雰囲気に似ているようなのを誰かの本でも味わったような・・・」と思っていたら、読書人さん達の「ジュンパ・ラヒリみたい」という言葉に納得。翻訳者も小川高義氏ですしね。まず、「イタリアの恋愛、バナナの行列」で引き込まれました。突然のナンパや引き留めると思っていた親戚が勧めた事で浮き足立つ女性の心理の描き方が絶妙。ラストの皮肉もこの世の事象の本質を捉えているようで見事としか言えない。そして手に入れたい物の羅列に生活感や家族への愛も感じるのも良い2018/01/04

aika

71
季節が移り変わっても、降りつづける雪のように、人びとの心と人生に、かつてスターリンの時代に強制収容所だったという哀しい過去を持つ極東の街マガダンが、薄暗い陰をつくります。連作短編のようなつくりで、どれもがほろ苦い人生の悲哀のようなものを帯びていて、切なさと郷愁とでいっぱいになります。それでも、なぜだか人生を愛したいなあって、そう思えます。抗おうと受け入れようと、目の前の生活をある意味で淡々と生きていく人びとのもつ耐性はロシア的で、すごく好きな作風です。クセニヤ・メルニクさん、追いかけたい作家さんです。 2017/06/08

りつこ

56
ロシア極北の町マガダンの過酷な暮らし。物資も娯楽も少ない中で楽しみや希望をつないで生きている人たち。一方、そこを飛び出して海外へ移住した人たちも決してすべてにおいて恵まれているわけではない。自分の中に沁みついた故郷を取り出したり目をつぶってなかったことにしたりしながら、やはり孤独を抱えて生きている。苦い物語も多いが、ソーニャという少女(作者自身に重なる部分が多い)の希望に満ちた視線が救い。短編だけれど登場人物が重複する作品もあり、視点を変えて見る面白さもあった。2017/06/04

キムチ

54
一番古いのは1958、新しいのは2012。概ねロシアよりソ連とも言うべき空気が描かれる。筆者が素敵な女性であることに驚いたのは文章、描かれる場面、大半は女性の感情の全てが軽そうで重く乾いている為。装丁の可愛らしさとは裏腹に、読みながら逃れようもないじっとりとした疲れを感じた。呟かれる格言が呪文のように楔となっている。何とも言い難い感がある「イチゴ色の口紅」~スターリンが死んで食べ物が出回るようになった時期の3姉妹の次女。結婚を通して見えた人生を祖母が教えてくれた格言でなぞる。先週読んだロシア女性の話2019/09/30

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