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光の子供

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105901127
  • NDC分類 953
  • Cコード C0397

出版社内容情報

私は何も知らない。母が誰かも――。映画の撮影技師だった父は膨大な女優達のポートレートだけを残して死んだ。《フェミナ賞受賞作》

私は自分の生まれについて何も知らない。母が誰かも――。映画の撮影技師だった父は、膨大な女優達のポートレートだけを残して死んだ。父を亡くした日、スクリーンのなかに母を探す私はマイリスと出会った。そして死と隣り合わせの愛の欲望にかき立てられていく。パリを舞台に映画と現実を行き来するように語られる、ある男の愛の彷徨。ル・モンド紙元編集長による《フェミナ賞受賞作》。

内容説明

私は何も知らない。母が誰かも―。パリを舞台に、映画と現実を行き来するように語られる、ある男の愛の彷徨。ル・モンド紙元編集長による“フェミナ賞受賞作”。

著者等紹介

フォトリノ,エリック[フォトリノ,エリック] [Fottorino,´Eric]
1960年フランス・ニース生まれ。パリ政治学院卒。リベラシオン紙を経て、ル・モンド紙の記者に。同紙編集長を経て、のちに最高経営責任者となる。ジャーナリストとして活躍する傍ら、小説や自転車エッセイを著し、2004年に『カレス・ド・ルージュ』でフランソワ・モーリアック賞、『コルサコフ』で書店大賞を受賞。2007年に『光の子供』でフェミナ賞を受賞。作品ごとにゴンクール賞最有力候補と目されている

吉田洋之[ヨシダヒロユキ]
1973年東京生まれ。パリ第3大学学士・修士課程修了、同大学博士課程中退。フランス近現代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Y

41
恋愛は時として暴力的なまでに人の理性を奪い尽くして冷静でいられなくなってしまう。ジルとマイリスの愛は突然始まって突然終わった。始まってからは嵐のような激しさがあったのに、終わりはなんてあっさりしてるのだろうかと思った。胸に焼きつく情景がいくつかある。ローマでの逃避行をはじめとする、ままごとみたいな恋人の戯れなんかがそうだ。読み終わってみて、甘美な記憶を留めたまま別れた恋人を想うみたいに、作中のパリの風景を何度も思い出しては感傷に浸った。2014/12/23

tom

20
映画のカメラマンをしていた父に育てられた主人公。母のことは何も知らない。父は膨大な女優の写真を遺していた。光にこだわる人で、どの光を使えば、女優が浮かび上がるのかをいつも考えていた。主人公は、写真の中に母がいるのかもと思い、写真を繰り返し見るのだけれど、手掛かりは見つからない。そんなとき、映画館で人妻に出会う。この女性とのかかわりと母の探索。これがテーマの物語。面白いかと問われたら、私には不明と答えるしかないけれど、なんとなく気になってしまい、一カ月かけて読み進めた。写真と光の関係、なかなか面白かった。2022/10/18

ぱせり

18
やりきれない閉塞感は、今まさに「光の代役」を入手し、それがあくまでも代役であること、本物にはなりえないことを知りながら、溺れ流されていく感じ。物語は静かだ。ゆっくりと流れる。モノクロのサイレント映画のよう。暗い場面ばかりなのに、光が印象に残る映画。光の場面が光ゆえにやりきれない、と思わせる映画のようだ。 2015/01/16

月夜乃 海花

11
フランス映画の照明技師の父を持つジル。そして、ジルの父であるジャン・エクトールはジルの母のことを何も告げずにこの世を去った。ジルは映画に出てくる女性が母であると思いながら、探していく。そして、夫を持つアイリスとの出会い。禁断の関係。愛を求めていくジルは影、母は光なのか。この小説で定義されている「光」とは何なのだろうか。

algon

10
フランスの中編小説だがクレストブックスシリーズにしては底の浅い本に思えた。著名な映画撮影技師を父に持つ弁護士の男は母を知らず映画女優ではという手掛かりのみでひたすら父の遺した映像資料で母を探す。人妻マイリスと激しい恋に落ち夫妻の家で過ごすほどの麻痺した感覚でお互いを求める…。設定の故でフランス映画・女優名がかなりの数出てくる。これらがフランス以外の所で魅力なのか障壁なのか…。自分はそっち系は好みなので何とか分ったが本の魅力は次々出てくる映画名くらいでどうもありきたりの3文△説みたいな印象しかないけどなー。2020/11/28

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