Crest books
遁走状態

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105901080
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

前妻と前々妻に追われる元夫。勝手に喋る舌を止められない大学教授。ニセの救世主。明晰に語られる19の悪夢。待望の本邦初短篇集。

幻想と覚醒が織りなす、19の悪夢。驚異の短篇集、待望の邦訳刊行! 前妻と前々妻に追われる元夫。見えない箱に眠りを奪われる女。勝手に喋る舌を止められない老教授。ニセの救世主。「私」は気づけばもう「私」でなく、日常は彼方に遁走する。奇想天外なのにどこまでも醒め、滑稽でいながら切実な恐怖に満ちた、19の物語。ホラーもファンタジーも純文学も超える驚異の短篇集、待望の邦訳刊行!

内容説明

前妻と前々妻に追われる元夫。見えない箱に眠りを奪われる女。勝手に喋る舌を止められない老教授。ニセの救世主。「私」は気づけばもう「私」でなく、日常は彼方に遁走する―。奇想天外なのにどこまでも醒め、滑稽でいながら切実な恐怖に満ちた、19の物語。幻想と覚醒が織りなす、驚異の短篇集。

著者等紹介

エヴンソン,ブライアン[エヴンソン,ブライアン] [Evenson,Brian]
1966年アメリカ・アイオワ州生まれ。敬虔なモルモン教徒として育つ。モルモン教系のブリガム・ヤング大学で教職に就き、妻も信者だったが、94年に発したデビュー作Altmann’s Tongueが冒涜的であるとして2001年に破門、離婚して職も失う。“Two Brothers”(98)、「マダー・タング」(07)、「ウインドアイ」(11)でO・ヘンリー賞を計3度受賞。ジャック・デュパン、クリスチャン・ガイイなどの著作の翻訳、ゲームソフトやホラー映画のノベライゼーションも手がける。現在、ブラウン大学文芸科主任教授

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年生まれ。東京大学教授、翻訳家。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞受賞。トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』の翻訳で日本翻訳文化賞を受賞。現代アメリカ文学を中心に訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

132
幻想と覚醒に満ちた短編集である。 まさに物語自体が遁走・徘徊している感覚が 満載の書である。それにしても、主人公たちが感じる怖れが不可思議で独特である。 少し奇妙な世界に住む人々の 少し捻れた作品集だった。2021/04/04

tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

98
☆4.75 この登場人物たちは自分の周りの世界で何度も蘇り展開する謎と恐怖を理解しよう、不安定さを受け入れて生きようと苦闘している。 「私」は気づけばもう「私」ではなく、記憶も人格も消失する。 物語自体が遁走、徘徊し幻想と覚醒が織りなされる。 ホラーも純文学をも超えるエヴンソンのどこまでも醒めた19の悪夢の短篇集。2021/03/07

どんぐり

98
思いのほか読み終えるのに時間がかかる。19の短篇、それも奇想天外な物語。1篇1篇の作品は、どれも「君は誰」「ここはどこ」「私は誰」と場所や時間、登場人物の帰属する世界が不透明で、インビジブルである。物語は混沌としており、夢の中を彷徨っているかのようで、なかなか「現実」世界が立ち上がってこない。物語が変わるたびに頭の中をリセットすること19回、あまり愉しい読書体験は得られなかった。『遁走状態』というよりも、『意識混濁状態』である。2015/05/13

藤月はな(灯れ松明の火)

80
すぐそばで転がっているような不安への予感とそれが迫ってくる恐怖に満ちた短篇集。お仕事本としては「九十に九十」はお勧めしづらい。なぜなら、上司のために自分のやりたいこと(文学)とかけ離れていく仕事やパワハラへの纏わりつくような倦怠と絶望が募る描写に悲鳴を挙げたくなるからだ。同じ状況になったとしても完全に人は互いを理解することはできないという虚しさが一文に詰まっている「助けになる」。そして自分が思ってもいない言葉が勝手に出てくるようになるディスコミュニケーションを描いた「マザー・タング」の寒々しき悲哀よ。2014/06/01

りー

61
これは不安を煽るタイプの幻想文学の白眉とも言える短編集。読者への情報開示の力加減というか、どこまで起こったことを物語るかというバランスが絶妙で、難解になることなく昏く幻想的な世界を体現している希有な一冊になっている。300頁程度の中に19篇と、それぞれの短編はかなりコンパクトな造りであるのだけれど、どれも物語としての完成度が高く飽きさせない。しかし新潮クレストブックスにおいてこの雰囲気は異端。一昔前に流行ったゲーム『クロックタワー』みたいな不穏さが全編に漂っている。2014/05/24

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