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ディア・ライフ

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  • サイズ B6判/ページ数 391p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105901066
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

本年度ノーベル文学賞受賞! 「短篇の女王」による最後の作品集。「フィナーレ」と名づけられた「自伝的作品」4篇を含む全14篇。

二〇一三年ノーベル文学賞受賞! フィナーレを飾る最新にして最後の短篇集。チェーホフ以来もっとも優れた短篇小説家が、透徹した眼差しとまばゆいほどの名人技で描きだす、平凡な人びとの途方もない人生、その深淵。引退を表明しているマンロー自身が〈フィナーレ〉と銘打ち、実人生を語る作品と位置づける「目」「夜」「声」「ディア・ライフ」の四篇を含む全十四篇。まさに名人の手になる最新短篇集。

内容説明

キスしようかと迷ったけれどしなかった、と言い、家まで送ってくれたジャーナリストに心を奪われ、幼子を連れてトロントをめざす女性詩人。片田舎の病院に新米教師として赴任した女の、ベテラン医師との婚約の顛末。父親が雇った既婚の建築家と深い仲になった娘と、その後の長い歳月。第二次大戦から帰還した若い兵士が、列車から飛び降りた土地で始めた新しい暮らし。そして作家自身が“フィナーレ”と銘打ち、実人生を語る作品と位置づける「目」「夜」「声」「ディア・ライフ」の四篇。引退を表明したアリス・マンローが、人生の瞬間を眩いほど鮮やかに描きだした、まさに名人の手になる最新にして最後の短篇集。

著者等紹介

マンロー,アリス[マンロー,アリス] [Munro,Alice]
1931年、カナダ・オンタリオ州の田舎町に生まれる。書店経営を経て、68年、初の短篇集Dance of the Happy Shadesがカナダでもっとも権威ある「総督文学賞」を受賞。やがて国外でも注目を集め、ニューヨーカーに作品が掲載されるようになる。寡作ながら、三度の総督文学賞、W・H・スミス賞、ペン・マラマッド賞、全米批評家協会賞ほか多くの賞を受賞。チェーホフの正統な後継者、「短篇小説の女王」と賞され、2005年にはタイム誌の「世界でもっとも影響力のある100人」に選出

小竹由美子[コタケユミコ]
1954年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

149
著者最後の短編集である。 どの作品にも 人生があり、心落ち着く雰囲気がある。男女の極めて危うい関係を さもあり得るかのように、淡々と描いていく。 登場する女性たちの潔さと 過ちは 著者の人生の反映なのだろうか…フィナーレの四編も 心に染みる…そんな短編集だった。2021/03/02

藤月はな(灯れ松明の火)

99
派手じゃないが後でじわじわくる短編集。「日本に届く」は女が女になるまでの過程に一抹の嫌悪感を覚えてしまう。最後の幼くても「女」であることを示し、その一瞬に立ち会ったケイティーちゃんの事も思うと苦い。最もこんな事を女に何気なく、言える男って信用ならないけどね・・・。「安息の場所」は常に嫌味であてつけがましい夫を気にかけては、萎縮する淑やかなドーン叔母を見た姪の推測が印象深い。例え、家族であれど、所詮は自分と違う他人。家族を「家族」とさせるのは時々、取る「あなたのことはどうでもいい」という感覚なのかもしれない2018/01/02

キムチ

60
マンローはこんなもんだなぁと自らを納得させるに最適?短編集。14もの掌編を一気に読めるのはかなりの精神的集中が要る。イラクサ他訳を担当している小竹さん、今回の訳も咀嚼し辛く呻吟。原文もこんなものかなぁとうんうん読むと時々すぃっと脳内に入ってくる彼女の世界。アムンゼンに使われるヒロインの言葉なぞ、まさにマンローが言いそうなセリフ。ラスト4編は最初で最後といわれる私小説世界。戦前のカナダで育った恐ろしく感性の鋭い少女の持て余すような才気がキラキラしている。寝そべってアトランダムに楽しむほうが作品に浸れるだろう2017/05/31

Y

47
理屈が通用しないような人の心理の不可解さを、確かな観察力で紐解いた作品群。狡さや気まぐれをを一まとめに人間臭さと称することができなくなる程、人の心理にはゆらめきがあることがわかる。最後の四篇は自伝的作品ということで、著者の幼少期を垣間見ることができた。特に「ディア・ライフ」の最後の「いつだって許すのだ」という一文にこわばっていた心がほどけていった。許すこと、それは刻まれた記憶を受け入れていくこと。好むと好まざるに関わらず私たちは目にしてきたものを許して生きてゆくのだろう。そしてそれはきっと救いなんだろう。2014/01/27

川越読書旅団

45
ノーベル文学作家 アリス・マンローの短編集。ちょっとした日常の風景から感情の緩急を巧みに切り取り描く技法は秀抜。ただ、不思議なくらい内容が馬耳東風的に頭の中を通過して行き、ボルヘス作品読了後レベルに記憶に残っていなかったり、、、。2020/10/25

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