Ｃｒｅｓｔ ｂｏｏｋｓ シンメトリーの地図帳

ソートイ，マーカス・デュ【著】〈Ｓａｕｔｏｙ，Ｍａｒｃｕｓ ｄｕ〉/冨永 星【訳】

新潮社（2010/02発売）

• サイズ B6判／ページ数 492p／高さ 20cm
• 商品コード 9784105900816
• NDC分類 410
• Cコード C0398

出版社内容情報

数学史上の知られざる偉業「シンメトリーの地図帳」完成とは？　古代から続く人類の対称性探究の旅を、天才たちの息遣いとともに描く数学ノンフィクション。

内容説明

かつて魔法に取り憑かれた少年がいた。数学という名の魔法に。巻き貝の殻や呪文のような秘密の文字が書かれた本の中に、世界を解き明かす鍵があるとしたら？少年はやがて数学者となる―。自然界はもちろん、音楽や美術、建築にも、異性に対する好みにさえ現れる「対称性」。その“シンメトリーの素数”を網羅した「地図帳」を完成させようと奮闘した数学者たちの姿をユーモラスに、しかし感動的に描く数学ノンフィクション。

目次

八月―終わり、そして始まり
九月―さいころの次の一振り
一〇月―シンメトリーの宮殿
一一月―一族の集結
一二月―つながり
一月―不可能
二月―革命
三月―見えない姿
四月―シンメトリーの音
五月―開拓〔ほか〕

著者等紹介

ソートイ，マーカス・デュ［ソートイ，マーカスデュ］［Ｓａｕｔｏｙ，Ｍａｒｃｕｓ　ｄｕ］
１９６５年生まれ、オックスフォード大学数学研究所教授、王立協会リサーチャー。現在、リチャード・ドーキンスのあとを受けて「科学啓蒙のためのシモニー教授職」にもある。著書に専門書多数、また、新聞・雑誌に署名記事を多数執筆、ＢＢＣでは数学番組を監修している。人目を引く彼のファッションも手伝って、イギリスで抜群の知名度を誇る。２００１年、ロンドンの数学学会から４０歳以下の最も優れた数学研究者に対して与えられるバーウィック賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[mae.dat]

本書を通じて、数学者の日常を擬似体験して欲しいのかと。宇宙や深海に広がる浪漫等と同等以上の神秘が隠されているのだと伝えたいのでは。読み物として楽しい。いや、ちょっと難しい所もあったけど。メインは19万6883次元空間‼︎に潜むモンスターとの戦い(?)かも知れません。でも個人的には、平面に存在するシンメトリー全パターンを、アルハンブラ宮殿にて宝探しするお話が好きです。エッシャーは、代数的な数学は苦手だったと。でも左右の絵の共通する点と線を見出し、抽象化した幾何学模様を介して結び付ける技法は正に変態。と。

2021/11/02

[KAZOO]

「素数の音楽」に引き続きソートイの数学ノンフィクションです。読みでがあった本です。自分の理解を超えているので、かなりわからないままに読み過ごした部分もあります。シンメトリーというあまりはっきりしない分野であり、しかも図形が中心ということで難しい数式は出てこないのですが理解するには時間がかかる気がしました。時間がたったらもう一度チャレンジします。

2015/01/23

[ゲオルギオ・ハーン]

数学におけるシンメトリー(対称性)をテーマにしながら、それだけ語っても分かりにくいだろうからと群論についても触れるという数学者でもある著者らしい思いやりで書かれたユニークで壮大な物語。馴染みのない言葉なので調べながら読みました。毛嫌いする人はいるかもしれないですが数式や特殊関数をグラフ化したものもあるともっと面白くできたのではと思いました。身近なシンメトリーの紹介から研究史にまで展開する構成がドキュメンタリー調で完成されているだけにどうスゴいのかを文章とわずかな数式だけで読み解くのが難しく、それが惜しい。

2022/04/14

[yooou]

☆☆☆☆★　予想とは全く違う展開に戸惑いつつもめくるめく数学の世界が垣間見れた気がします。ほんととても面白かった。わかったかどうかはあくまで別としてですけども。

2012/08/01

[tom]

１年くらい前から本棚の肥やしになっていた。新幹線に乗ることになったので、この際と思って持っていき、７時間くらいかけて、とりあえず読了。取りあえずというのは、テーマである群論というのが結局なんのことなのか私にはさっぱり理解できなかったから。ついでに、数学者にとっては、とてつもなくエキサイトなテーマらしいけれど、何の役に立つのか、ほんのわずかしか分からなかったから。でも、何だかすごいらしいし、とても刺激的だった。この著者の「素数の音楽」も同じように感じたのです。どうして、惹かれるのか自分でも不思議。

2011/11/28