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リリアン

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  • サイズ B6判/ページ数 301p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900762
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

1924年、美しい娘リリアンが、ロシアからアメリカへやってくる。ポグロム(ユダヤ人迫害)で両親と夫を惨殺され、一人娘も失って、単身、新天地へと渡ったのだ。ニューヨークの従姉の部屋に転がり込んだリリアンは、お針子として自活するが、ほどなく劇場主父子双方の愛人となり、新世界の階段を駆けのぼってゆく。父ほどの年配の男たちとのあいだに育まれる愛情と友情。だがそこへ、死んだはずの娘が生きているという話がもたらされるや、彼女はすべてをなげうってシベリアをめざす。伝説の電信線に沿って、荒野を北へと向かうのだ―。幾人もの人生の物語がぎっしりと詰まった、息をもつかせぬ濃密なストーリー。読者をかたときも放さない真にドラマティックな傑作長篇。

著者等紹介

ブルーム,エイミー[ブルーム,エイミー][Bloom,Amy]
1953年、NY生まれ。現在コネチカット在住。心理療法士として働くかたわら、「ニューヨーカー」「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」などに寄稿。93年刊行の初の短篇集『銀の水(原題:Come to Me)』が全米図書賞最終候補に。2000年、第二短篇集A Blind Man Can See How Much I Love You刊行。全米批評家協会賞最終候補に。ドラマや映画の脚本を手がけるとともに、イエール大学創作科で教鞭をとっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

138
両親と夫を惨殺された リリアンの物語である。 死んだはずの娘ソフィーを探す リリアンのぶれない勁さが心地よい。 安定を捨て、娘を求めて、シベリアの旅に出るリリアン …1920年代のこの物語…災難の連続だが、 リリアンの心情が 読みにくく、正直 物語に入り込みにくかったのが 残念。2020/03/27

優希

97
濃厚な物語に圧倒されました。家族を惨殺されたリリアンが見知らぬ土地で生きていく姿に強さを感じます。言葉もわからないまま単身アメリカに渡り、2人の男性の愛人になるのには敬虔なユダヤの娘だった時代からは想像つきません。ただ、それだけ新しい世界で道を切り開くしたたかさがあったということだと思います。男性たちと愛や友情の関係を結べたのは、彼女の生命力が成せる業でしょう。生きることしか考えていなかったリリアンが娘が生きていると知ったことで希望が見えたのが印象的です。最初から最後までドラマがありました。2015/12/27

藤月はな(灯れ松明の火)

74
ユダヤ人虐殺によって目の前で家族を殺されたリリアンはアメリカへ逃げてパトロンとゲイの息子に囲われて快適だが、空虚に生きていた。しかし、打算的な従妹から一人娘のソフィが生き延びていることを聞いた彼女は嘘かもしれないその情報に縋り、単身、シベリアへ向かった。犯罪も犯し、保護されていた頃の美貌はなく、頭は虱だらけ、服はボロボロになっても彼女は生きていることの優雅な美しさを持っているように感じる。そして不思議なことに彼女が出会う人々も人生を恨んでもおかしくない目に遭っているが絶望感がないのも清涼感を与えている2016/09/19

キムチ

50
小竹さんの翻訳が、プツプツ切れ、感情が入り込めず、容易には読み進めなかった。ユダヤ移民の子が運よく?裕福な父子に引き取られ、性の関係・・やがて従姉に教えられ、娘の存在を追う事に~、話が走り出すと読むのも拍車がかかった。とはいえ、サイドストーリーが複雑すぎて話に着いて行くのがやっと。20世紀初頭、困苦を極める旅路。ロードムービー的ロマンなどない「生死と隣合わせ」の状況。「生きてきた」意味を問い続ける様な後半が面白かった。が、リリアン自身の凄絶な半生が作品に流れる彼女の像となっているのかなとすっきりしなかった2018/10/17

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

21
1920年代のニューヨークから、女性がひとりでアラスカを目指す。アラスカきらたベーリング海峡を渡ってシベリアへ行くために。ロシアから移住して来たリリアン。生き別れた娘がシベリアにいるらしい、との不確かな噂を信じて真っ直ぐに、手段を選ばずに向かう。列車の貨物室に隠れたり、見ぐるみ剥がされて娼婦の下働きをしたり、真冬のアラスカに出て行こうとして刑務所に入れられたりする。出会う人々は盲進する彼女を図らずも手助けする。虫、寒さ、化膿した足の匂い、飢え、女性である事、あらゆる障害があるが、「生きているから私は幸せ」2025/05/28

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