Crest books
博物館の裏庭で

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  • サイズ B6判/ページ数 484p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900694
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

大家を押しのけ、権威あるウィットブレッド賞を受賞。懐かしく、滑稽で、豊穣な、ある家族の年代記。
曾祖母の冒険、祖母の恋、母の夢。そして二度の世界大戦。四世代にわたる家族の歴史は、さながら無数の物語が詰まった博物館。その陰には、語られざる秘密があった――。一人ひとりの小さな物語を横糸に壮大な歴史を編み上げる、新しい「偉大なる英国小説」。イギリス各紙誌が絶賛した、恐るべき処女長篇。

内容説明

1952年、英国の古都ヨークの平凡な家庭に生まれたルビー・レノックス。一家はペットショップを営み、お店の2階に暮らしている。部屋の片隅に眠る、古ぼけた写真、ピンク色のボタン、兎の脚のお守り。そんな小さなものたちが、それぞれの時代の記憶を語り始める―。はかない初恋や、家族とのいざこざ、異国への憧れ。そして、ルビーの母の、祖母の、曾祖母たちの平穏な日々を突然奪っていった、2度の戦争。ルビーの人生を主旋律とする物語は、さかのぼる三代の女たちの人生と響き合いながら、一族の壮大な歴史を奏でる。ウィットブレッド賞を受賞した、現代の「偉大なる英国小説」。

著者等紹介

アトキンソン,ケイト[アトキンソン,ケイト][Atkinson,Kate]
1951年、イギリス・ヨーク生まれ。ダンディー大学で英米文学を専攻。修士号取得後は職業を転々とするが、やがて母校の大学の英語教師になる。86年、雑誌『ウーマンズ・オウン』の短篇コンペで優勝。93年、イアン・セイント=ジェイムス賞を受賞。95年、初の長篇である『博物館の裏庭で』でウィットブレッド文学賞を受賞。現在は二人の娘とともにエジンバラに暮らす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

354
物語は、後にルビーと名付けられる語り手が受精、胚胎した瞬間から語り始められる。冒頭から大いなる物語の始まりを予感させる起筆部である。以降、基本的にはルビーの語りが主旋律を奏でてゆくが、補注という形をとって一族の過去の物語が挿入されるという形式をとる。これは、いわばイギリスの家族4代の物語を語る叙事詩なのだ。ただし、そこには英雄は登場しないのだが。そして、基本的には女たちの物語である。しかも、彼女たちにとっては、とうとう実現されることのなかった理想を追憶する物語である。呆然、というのが正直な読後感である。2018/08/15

遥かなる想い

211
英国の四代にわたる女性たちの物語である。 一般的な庶民の平凡な人生絵巻..だが 背後にある二度の世界大戦が微妙な影を落とす。 女性が自由に行きられなかった時代、戦争の 影を受け入れながら 逞しく生き抜く女性たちの 英国版..やや軽快な筆致のせいか 個々の人物造形が わかりにくいのが少し残念。 2017/04/04

ケイ

130
「あたしは存在している」。母の胎内で受精した瞬間の彼女の言葉から物語が始まる。その書き出しと、苦手分野であるイギリスの女性作家の作品ということでしばらく投げ出していたこの作品。もう一度手にとってみると爆発的な面白さだ。女性版「100年の孤独」と裏表紙に紹介されているが、そんなややこしいものではなく、しかし、人生が、暮らしが、戦争の描写が…、色んなものがここに詰め込まれている。登場人物たちが欠点を含め、皆愛すべき人たちだ。ああ。だから尚更あの書き出しが惜しいなあ…。2016/07/16

紅はこべ

114
訳者あとがきで庶民の女性版『戦争と平和』にたとえられていたが、私は途中で『トリストラム・シャンディ』みたいと思っていたら、主人公が『トリストラム』を読む場面があって、膝を打った。トリストラムを抜きにして、英国小説は語れず。それにしてもこの一族の女性は悉く夫選びに失敗。それでも力強い。バンティが特に印象的。親族の結婚披露宴中に腹上死する夫って…。パトリシアが面白い。探偵ブロディシリーズを先に読んだので、意外な世界観だった。2019/04/09

まふ

111
著者のデビュー作。庶民階級の日常の生活が四代に亘って女性の視点から記されている。日本で言えば幕末から平成年度に至るまで、私のオジイ、オバアのもうひとつ前の記憶すら残っていない時代の話である。資産、カネ、土地、貴族との社交などの英国特有の面倒くさい階級意識が日常の会話から見つからず、読みやすい。4代目、3代目の歴史的な叙述は「補注」として別建てにするなどの配慮があり、ベタ記述の単純感から逃れる努力がされている。男どもはどの代も「添え物」的であり、大いに好ましい。G481/1000 。2024/04/08

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