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直筆商の哀しみ

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  • サイズ B6判/ページ数 557p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900380
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

有名人のサインを売買し、そのあがりで悠々暮らす“直筆商”アレックス。密かな哀しみを抱きしめたまま、お気楽かつ自堕落に生きている。亡父が縁を結んでくれた古なじみの友人たちに十年越しの恋人。ロンドン郊外での代わりばえのしない日常に、少年時代から純情を捧げてきた伝説的映画女優の直筆サインが大嵐を巻き起こす。一行おきにはじける笑い、なのにじんと胸にしみる読後感。衝撃のデビュー作『ホワイト・ティース』から3年。現代社会と“シンボル”という壮大なテーマに、とめどなくコミカルな表現で挑んだ世界中の読者待望の最新作。

著者等紹介

スミス,ゼイディー[スミス,ゼイディー][Smith,Zadie]
1975年、多くの移民が暮らすロンドン北西部ウィルズデンに生まれる。父はイギリス人、母はジャマイカ人。ケンブリッジ在学中に書いた草稿が、異例の版権争奪戦となる。2000年、デビュー長篇『ホワイト・ティース』発表。イギリスのみならず世界中で大好評を博す。ウィットブレッド賞処女長篇小説賞、ガーディアン新人賞、英国図書賞新人賞、コモンウェルス作家賞最優秀新人賞などを軒並み受賞。2002年、待望の第二長篇『直筆商の哀しみ』を刊行。たちまちベストセラーに。現在ハーヴァード大学で学んでいる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

139
サインや手書き文書を売買する「直筆商」 アレックスの物語である。 軽快な筆致は 楽しいが、正直 話について いけなかった… 映画に対する 想いのようなものが、 物語の底にあるのだろう…頻繁に出てくる 映画のタイトルと 俳優たち… だが 正直 話が 発散して ついていけない。 憧れの伝説的女優 キティーとアレックス… 背景にある 宗教観の違いが 与える 価値観のズレを よく理解できないまま 終わってしまった、そんな印象の作品だった。2019/07/31

margo

4
著名人のサインを売り買いする28歳の中国とユダヤのミックスが主人公。ある日大ファンの女優からサインが届いて…。 主人公のだらしなさに親近感を持った。手を使わずに食事をとろうとするところは笑った。知らない単語が多くて難しかったけどユダヤ教の知識があったらもっと楽しめたんだろうな。スターの姿は映像に保存されるけど俳優も人間だから年を取る。映画の中の人生は本物の対話と人生の代わりにはならない。 ゼイディー・スミスは、きっと誰にでも覚えのある人間の気まずい感情や、かっこわるいところを書くのがすごくうまい。2016/02/08

パナマ運河

3
この小説に登場するキャラクター造形(宗教、人種、主張など)の特殊さとそこからくる軽妙なやりとりは移民という作者のバックボーンとロンドンという多人種が暮らす都市でなければ、発想し得ないと思われるし、日本でこの手の作家は思い当たらない(日本人が描写する外国人は画一的か謎めいているかの両極端に分類されることが多い気がするが、これは"外国人"について壁があり過ぎることに由来すると思う)。そして、そのキャラクター達がとても人間臭く、「国際的に通用するジェスチャー」を交えて瑞々しく描写できるのは才能という他ない。2013/11/15

へっぽこ

2
小説と現実が重なるときは、判断というものの不明瞭さが立ち上がる。多くの「つもり」の判断は、その反対かあるいは無為なものに過ぎない。そういった小説の側面を強く感じた。名著そして名訳。この次にどういったものを書くのか、とても気になる。2012/02/05

しゅんろ

2
面白いんだけど読みにくい。不完全燃焼。でもそれは僕の海外の生活、文化、宗教、ジョークなどに対する無知、それによってこの小説の半分も楽しめていないだけなんだと思います。それでも、この軽やかなのに奥深い小説に他にはない魅力を感じ引き込まれました。悔しいけど、異国文化に馴れ親しんだ人ならもっと楽しめるであろう作品。何年後か再読したい。2011/07/27

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