内容説明
女は男の奴隷ではないまでも、つねに男の家来であった。男と女が世界を平等に分かちあったことは一度もない―。女の運命と存在を広く検証し、自由の獲得を説く。人生を愛し、ポジティヴに生きる男と女の必読書。
目次
第1部 女はどう育てられるか
第2部 女が生きる状況
第3部 自分を正当化する女たち
第4部 解放に向かって
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
52
2巻は女性の実生活に肉薄する。とは言え、多くが男性作家が描く女性像を引用しているのが気になるが・・・。若さの威力を巡る母親と娘の確執までの過程、破瓜によって生じるレイプ性、環境によって刷り込まれる貞淑と性的欲望を掻き立てる容貌への欲求、性的満足するかどうかには伴侶は関係を持たない事、夫や子供に依存する家庭生活、歳を取ってから解放される(例え、本人が望まなくても)性別を区別する生活様式の解放など、実生活でも思い至る事が芋蔓式に掘り起こされ、憂欝に。合間に映画『アンチ・クライスト』を解毒剤として観ながら読了。2023/12/12
みゃーこ
4
難解だった…2013/08/12
原玉幸子
1
有名な「人は女に生まれるのではなく、女になるのだ」で始まる論考。「夫婦生活と性的満足とを両立させることは、女には相変わらず難しい問題である」や「姦通、友情、社交生活は夫婦生活において気晴らしにしかならず、夫婦生活の束縛に耐えるのには役立つが、束縛を打ち砕きはしない」等、人が不安定な精神と機能的な肉体の微妙なバランスの中で、何とか生きていることを喝破している表現等には、成程なぁです。今後女性がどうあろうとすべきかを、ランボオ、マルクス等の表現を借りながら著者が提言する内容には頷けます。(◎2016年・春) 2020/01/11