内容説明
人間とは男であり、男は女をそれ自体としてではなく、自分との関係において定義する。女は自律した存在とは見なされない。女は従属する性なのか、男あっての性なのか?戦後女性論の古典を現代の感覚で新訳した決定版。
目次
第1部 運命
第2部 歴史
第3部 神話
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
46
『生まれつき、男社会に服従する女はいない』を読んだ時に主に取り上げられていたのがこの本だったので勉強と復習の為に読む。生科学的に雄を圧倒しうる能力を持ち得る雌。しかし、人間として社会的に「女性」と扱われると優位性は剥ぎ取られ、「男性」視点に沿うようにと求められるようになっていく。神話の章で「女性を神聖視する事で男性との同等性を避けてきた」という記述に目から鱗。また、近代のジェンダー確立までの歴史が「二歩進んで三歩下がる」と「二歩進んで一歩下がる」を繰り返しているのに溜息が零れる。2023/11/19
みゃーこ
15
あまりに有名なフェミニズムの聖書。価値観転換といい難解さといい、頭が痛くなりつつ頑張ってかろじで読了。フェミニズムの洗礼を受けた人たちはベッティ・フリーダンとともに、ボーボワールは絶対に読まなければならない一冊。2013/08/12
Mana
5
一女性としてフェミニズムには関心を持っているけど、有名なこの著は読んだことがなかった。ボーヴォワールを最初に知ったのが「ボーヴォワールとサルトルに狂わされた娘時代」で良い印象が無かったこと、彼女の考え方に男性的な価値に優位性を認めるイメージを持ってしまっていたことから、ついつい避けがちだった。後者については先入観と実際との比較をするところまでそもそも本書を読みこなせていないけど、ブームになったのが納得する面白さだった。生化学、神話、文学、過去の女性活動家たちの運動と分野は多岐にわたり博識さに感嘆とする。2019/06/16
わい
1
やっと!!読み終わった!!!以前、旧訳を読んで挫折したのだけど、旧訳かなり不備があるのな・・・。こっちで読めてよかったー。二巻行きます!2018/07/17