出版社内容情報
ページをめくってみたら、冒頭の、「賭けをした男が牛の体内にもぐり込む。もぐり込んでみて、結局そこに居すわることにする・・・・・」という書きだしが面白いので、立読みをはじめた．．．．．。（立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』347頁、より）
内容説明
楽しい悪夢の再生装置、１４９の超短篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mzo
11
森博嗣のルーツ・ミステリィ100から。オチのないショートショート集。荒唐無稽な夢を集めたようなものという触れ込みだけれど、流石にここまでのものは私は見ないぞ…。シチュエーション発想力勝負の作品群なので好き嫌いはあるでしょうが、もし読むなら一日に数編ずつ、時間をかけて味わうのが吉かと。2014/11/16
田氏
10
私は図書館の受付に腰を下ろす。たちまちフォークやナプキンが並べられ、司書が乳房や四肢で飾り立てられたケーキを運んでくる。私はケーキの下腹部にナイフを入れる。切り口からシュールレアリズム画家と昨晩の悪夢とが顔を出す。これは久々の大当たりだ。一人で処理できそうにないことを見て取ると、私は痕跡を消そうと火をつける。黒黒とした煙が立ちのぼり、群衆が快哉を叫ぶ。全ての本棚が燃え尽きたところで私は、この作風を255字で真似るのが容易ではないと気付く。はっとして辺りを見渡すが、私の関与しないところで歓声は上がり続ける。2017/09/02
eritoku
3
今更感想書くけどこれ本当に面白い！！シュールだし時々ブラック、この発想力！手元に置いて時々開いてクスリと笑いたい本。2017/12/18
雨宿り
3
読むのに１年近くかかった達成感か、正直…目次を見てもどんな話だったか思い出せる物は少ない。でもそれが好い。後書きの「夢の代用品」と謂う言葉がぴったりで、淡々とした寝覚めの悪い話は癖になる。2010/04/13
七峰らいが
2
「父親と息子が次第にブロンドの美女へと姿を変える」という話があると知って読んだ。そういうシュールな現象を正面切って、真面目になんとかしようとする主人公の言動は感情移入がしやすかった。「たのしい悪夢」と呼ばれる通りの、オチのない話や読後感にエグみを残す話などをひたすら読んだ。特に父親や母親が登場する話になるとシュールな趣きが増す。2016/11/02
