内容説明
アメリカの対日長期戦争が策定されはじめたのは、何と一八九七年。わが国が日清戦争に勝利した直後のことだった。太平洋の彼方をにらんで半世紀にわたって日米衝突に備え続けた、その底知れぬ計画性と怜悧な判断力。中国大陸で泥沼の戦いを強いられ、何ら戦略を持たぬままオレンジ計画の術中にはまった日本。そして現代…。
目次
オレンジ・プランと世界戦争
アメリカ流の計画―自立独立の参謀たち
太平洋戦争の地政学
基本戦略
東太平洋の守り
西太平洋の守り―その最後
西方の大基地
アメリカ式計画法―突進派と慎重派
通し切符作戦
突進派の巻き返し
アメリカ式計画法―作戦のプロフェッショナルたち
主流派戦略の微修正
日本包囲
戦略の追求
アメリカ式計画法―陸海軍の協調
ロイヤル・ロード洋上作戦
途切れたロイヤル・ロード
アメリカ式計画法の迷走
防衛論対オレンジ・プラン
針路を北へ
西方の大兵器庫、ついに消滅す
アメリカ式計画法―開戦前夜
即時猛反撃、延期さる
中部太平洋における艦隊決戦1941年
全面戦争か限定戦争か
アメリカ式計画法―戦時の計画者たち
戦時のオレンジ・プラン(実行された太平洋戦略;革新と予期せぬ事態;より良い戦略を求めて)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
八八
3
1910年代からアメリカにおいて仮想敵国に対する戦争計画が策定された。その戦争計画は、イギリスはレッド、ドイツにブラックというように、色によって割り振りされていた。殆どが単なるシュミレーションの域を出ない中で"オレンジ作戦計画"は真剣に検討された。このオレンジが割り振られた国は日本であった。本著はこのオレンジ作戦計画の変遷を追いかける力作である。日本とどの様に戦い勝利するのか、その過程でどの様な議論が交わされたのか、また、実際の対日戦において如何に発揮されたのか、本著を通して知ることができる。2022/08/20
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