内容説明
小さな石に込められた熱い想いに導かれた、秘密の谷への旅。この旅の果てに少年が見つけた真実とは。貧しい谷に暮らす少女のひたむきな愛、少年の成長を優しく透明な感性で描き、英国で多くの読者の支持を得た清々しい青春小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
11
海外のTVドラマ「ビバリーヒルズ青春白書」には、一際陽気でいい加減なアメリカン・ボーイ、スティーヴがいた。しかし、そんな彼も実の母親の存在を知らされ動揺する。母親探しの旅に出る彼を見て、「なぜだろう?」と不思議に思った。 今さら探して何になる?捨てられたという事実への傷口を開くことになるのに。 本作の主人公ジェームズのモノローグに、その答えはあった。 ぼくはどうしても知りたかったんだ。ぼくのお母さんが、 ぼくを欲しくて産んだのかどうかってことを。 2003/03/07
夏海
3
私が最も好きな作家さんの大好きな作品。何十回と読み返しても、心がぎゅっと締めつけられ、作品の透明感も全く色褪せることなく、最後は必ず泣いてしまいます。多感な年頃の15歳の少年が、自分の出生の秘密を探しに旅に出て、また、同じ年頃でたった一人で出産しなければならなかった少女の哀しい物語が、美しい織物の様に紡がれていきます。荒々しい岩山や谷、漆黒の闇と対照的にキラキラと輝くプールの水。巧みな表現力で鮮やかに情景が浮かび、物語の世界にあっという間にひきこまれます。2017/12/20
you123
3
オリンピックを夢見て飛び込み競技の特訓に明け暮れる少年ジェームズ。 彼は生みの親に会うため旅に出る。そして、母と子はついに再会。ほんの一瞬だけではあるが・・・。感動の作品です。2012/12/08
HISA
1
☆☆☆最後まで会えるの?どうなるの?とドキドキして読み進めたけど感動の再会じゃないところがよかった。これで区切りがついて自分の人生を受け入れられるんだね。2021/02/24