内容説明
アイルランド系移民の家に生まれたピート・ハミルは、10歳で第二次世界大戦の終戦を迎えた。貧しいながらも優等生だったピート少年は、しだいに悪に憧れ、おずおずと酒と性に手を伸ばした。それがすべての始まりだった―。冒険的人生の渦中へと飛び込んだ彼を迎えたのは、熱い50年代、60年代。ビートニク、ジャズ、ベトナム戦争…疾風怒涛の時代を酒とともに生きた彼は、しかし37歳で断酒を決意するにいたる―。その半生を赤裸々に明かす、小説よりも小説らしい痛快な自伝。
目次
1 戦中
2 戦後
3 自立
4 天国の門へ
5 ドリンキング・ライフ
6 酒よ、さらば
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カッパ
15
感想が何度も消えたので簡潔に。酒飲みの話である。酒との歴史と酒がないとなりたたない生家跡そして決別と。アメリカの話なので少し感覚は違うが十分に同意できた。2018/07/03
takao
2
ジャーナリスト、小説家2024/09/22
Hotspur
2
必要あり、読む。ジャーナリスト/コラムニスト(『幸せの黄色いハンカチ』の原作者)の自伝で、1930年代末期から1972年までを扱う。疾風怒濤の半生が縦軸、飲酒に溺れる生活が横軸。飲酒をあまり嗜まない弊方には今一つピンとこないが、それでも最も印象に残るシーンは諸々ある。例えば、広島への原爆投下が発表された時の著者の母がハミル少年に語る言葉、「可哀想に・・・犠牲になったのはわたしたちと同じ普通の人間じゃないの・・・戦争をはじめたのはあの人たちじゃないわ・・・日本の人たちのために祈りましょう」。2020/09/26