内容説明
激しい権力争いに勝利した金正日が絶対君主となり、北朝鮮は生き地獄と化した―。相互批判が強要され疑心暗鬼が渦巻く職場、密告や検閲に怯える家庭生活、常に死と隣り合わせの日々…。低い出身階級から異例の出世を遂げ、首領一族の家庭教師も務めた著者が、間近で見た権力者の姿と支配される人民の苦悩を語った。
目次
第1章 どうして南に来たのですか?
第2章 平壌で教授として生きること
第3章 これほど異なる南北
第4章 引き裂かれた家族
第5章 彼らだけの天国
第6章 北朝鮮の真の姿
第7章 北朝鮮が教育へ注ぐ熱
第8章 鉄条網より言葉が先に
第9章 仇の土地、米国で
著者等紹介
金賢植[キムヒョンシク]
1932年、咸鏡南道で生まれる。興南高級中学校に通っていた’50年、朝鮮戦争が勃発し入隊。翌年、傷痍軍人として除隊し金日成の指示で開校した平壌師範大学(現金亨稷師範大学)ロシア語露文学科に入学。首席で卒業し同大学の教授に任命される。’54年から38年間、同大学のロシア語教授として教鞭を執る傍ら、金日成の後妻の親族らの家庭教師も20年ほど務めた。金日成により教育実験担当者に選抜され、全国統一の中・高・大学用のロシア語教科書を執筆した。派遣教授としてモスクワにいた’92年韓国に亡命。ソウルでも大学にてロシア語を教えたほか、ロシア語の教材や辞典を刊行した。2001年、招聘教授として米国ニューオリンズ神学大学院へ。以後、エール大学などで北朝鮮学を教える。現在はジョージ・メイスン大学の研究教授を務めるほか平壌聖書研究学会代表としても活動している
菅野朋子[カンノトモコ]
1963年生まれ。中央大学文学部卒業後、出版社勤務。その後、カナダ・カールトン大学で韓国語を修得。韓国延世大学付属語学堂に留学。日本で週刊誌記者を経てフリーのノンフィクションライターに。現在、ソウル在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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