ケインズかハイエクか―資本主義を動かした世紀の対決

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  • サイズ A5判/ページ数 429p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105063412
  • NDC分類 331.74
  • Cコード C0033

出版社内容情報

不況からの回復策をめぐり、両雄はなぜ真っ向から衝突したのか。二人の知的交流を掘り起こし、経済学を二分する大論争の真相に迫る。

「大きな政府」か、「小さな政府」か――。二大経済学者の論争のすべて。不況からの回復策をめぐり、二人の天才はなぜ真っ向から衝突したのか。学会から政界へ、イギリスからアメリカへと舞台を移しながら繰り返された両雄の激しい抗争、そして知られざる信頼と友情の物語を、西部劇さながらの巧みなストーリーテリングで描く。今なお経済学を二分する思想対立を根本から学び直せる絶好の一冊。

内容説明

こんにち、自由市場の価値と政府の介入についての対立的な主張をめぐる論争は、一九三〇年代と同様に熾烈をきわめている。では、ケインズとハイエクのどちらが正しいのだろうか。八十年にわたって経済学者や政治家を分断してきたこの疑問に答え、この二人の傑出した人物の明白な違いが、現在まで続くリベラル派と保守派の大きな思想の違いに結びついていることを明らかにする。

目次

魅力的なヒーロー―ケインズかハイエクの崇拝対象になるまで一九一九~二七年
帝国の終焉―ハイエクがハイパーインフレを直接経験する一九一九~二四年
戦線の形成―ケインズが「自然な」経済秩序を否定する一九二三~二九年
スタンリーとリヴィングストン―ケインズとハイエクが初めて出会う一九二八~三〇年
リバティ・バランスを射った男―ハイエクがウィーンから到着する一九三一年
暁の決闘―ハイエクがケインズの『貨幣論』を辛辣に批評する一九三一年
応戦―ケインズとハイエクが衝突する一九三一年
イタリア人の仕事―ケインズがピエロ・スラッファに論争の継続を依頼する一九三二年
『一般理論』への道―コストゼロの失業対策一九三二~三三年
ハイエクの驚愕―『一般理論』が反響を求める一九三二~三六年〔ほか〕

著者等紹介

ワプショット,ニコラス[ワプショット,ニコラス][Wapshott,Nicholas]
1952年、英国生まれ。ジャーナリスト、作家。「タイムズ」や「オブザーバー」等で記者・編集者として活躍後、アメリカに拠点を移す。キャロル・リード、レックス・ハリソンらの評伝を執筆、2007年に刊行した『レーガンとサッチャー政治的結婚』で注目を集める。現在は新聞やテレビのコメンテーター、大学の客員教授としても活躍中

久保恵美子[クボエミコ]
翻訳家。東京大学経済学部卒業。ノンフィクションの翻訳をおもに手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

手押し戦車

15
世界大恐慌と第二次世界大戦で国家が強制的に経済介入により国民生活を有効需要を生み出し雇用の拡大と所得向上をもたら国が発展したが景気が悪くなり需要が減ったのに物の値段が上がるスタグフレーションが起き国家が介入すると富を創出する自由市場の力が妨げられるか自由放任主にして規制緩和で不況を乗り越えた。歴史的に見るとデフレ不況は財政出動でインフレ加速期は自由放任が効く。いつの時代も貨幣を操作するのは国家だが企業は貯蓄を上回る投資をして始めて景気が上向きになる。唯一投資や先の見通しを明るくするのは国家の経済政策で有る2015/02/12

KAZOO

6
むかしはケインズとシュムペーターというのが定番でしたが、最近の傾向としてはハイエクになってくるのでしょうか。著者がジャーナリストのせいか経済理論的なところはあまりないのですが、ゴシップ的な観点で書かれているので今までにはない評伝ということで興味深く読みました。いろいろ批判はあるでしょうが、このような見方も必要だと思います。2013/08/09

壱萬参仟縁

6
ケインズは背が高く198センチの堂々たる体躯(20ページ)。気は優しくて力持ちの圧倒的な存在感のある実務家。物価安定の主張(40ページ)は今でも有効。ケインズは全ての人が雇用されている社会をつくるのは、思想と行動の独立を守る確実な方法だった(176ページ)。一方、ハイエクは劣等生(31ページ)だったが、その後は副業の法律も学習(37ページ)で挽回。ハイエクは経済が最も機能するには貨幣が中立要因として働くのが不可欠と思った(98ページ)。ケンブリッジ大学風は論争から学ぶ点(116ページ)。現代に繋がる古典。2013/01/19

ステビア

5
経済学勉強せな〜 と思いました。2013/10/26

ykoro

5
ハイエクとケインズの対決の歴史を時間軸で追った内容。二人の考えの違いを、深く理解しようと購入したが、細かい内容が多く、途中で大枠が掴めにくくなり、一挙に最終章へ。結論としては、どちらが真理ということではなく、その時の状況で、考えるべき方向性が変わってくるということ。小さな政府で自由市場に任せようとするハイエク、大きな政府で有効需要を創造しようするケインズ。ただ、印象的には、実際に経済施策策定にかかわったケインズとは異なり、ハイエクは実務経験がないアカデミックな立場なので、理論倒れになるリスクを感じた。2013/02/25

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