出版社内容情報
地球を憂う少年の心を、亡き母の愛が解き放つ。科学と情感が融合する傑作。パパ、この惑星に僕の居場所はないの? 地球外生命の可能性を探る研究者の男、その幼い息子は絶滅に瀕する動物たちの悲惨に寄り添い苦しんでいた。男は彼をある実験に参加させる。MRIの中で亡き母の面影に出会った少年は、驚くほどの聡明さを発揮し始め――現代科学の最前線から描かれる、21世紀の「アルジャーノン」。
内容説明
地球外生命を探る研究者シーオの幼い息子ロビンは、母アリッサの急逝で情緒不安定になっていた。シーオは、妻の知人が取り組むfMRI(機能的磁気共鳴映像法)を用いた実験に息子を参加させる。生前のアリッサが残した脳のスキャンデータを元に、母の感情をロビンに追体験させ、彼の精神を解放しようというのだ。その効果は目覚ましく、ロビンは周囲が驚くほどの聡明さを発揮し始め、母が生涯をかけて取り組んだ動物保護への意識も研ぎ澄まされていく。彼の眼には、人間がこの惑星にとって有害と映っていた―ブッカー賞最終候補作。
著者等紹介
パワーズ,リチャード[パワーズ,リチャード] [Powers,Richard]
1957年イリノイ州エヴァンストン生まれ。大学で物理学を専攻、のちに文学に転向する。文学修士号を取得後、プログラマとして働くが、アウグスト・ザンダーの写真と出会ったのをきっかけに退職、デビュー作となる『舞踏会へ向かう三人の農夫』(原書1985)を執筆し、各方面で絶賛を浴びる。現代アメリカにおける最も知的で野心的な作家のひとり。9作目の長篇『エコー・メイカー』(原書2006)で全米図書賞を受賞
木原善彦[キハラヨシヒコ]
1967年生まれ。大阪大学教授。ウィリアム・ギャディス『JR』の翻訳で日本翻訳大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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