内容説明
はじめてのキスは乾いていて、なめらかで、日ざしの温もりをたたえていた―1960年の夏、ボビー、キャロル、サリー・ジョンの仲良し3人組は11歳だった。夏に終わりがこないように、永遠に友情が続くと信じていた彼らの前に、ひとりの老人が現れる。テッド・ブローティガン。不思議な能力を持つ彼の出現を境に、世界は徐々に変容し始める。貼り紙、路上のチョーク、黄色いコートの男たち。少年と少女を、母を、街を、悪意が覆っていき―。あまりにも不意に、あまりにもあっけなく過ぎ去ってしまう少年の夏を描いた、すべての予兆をはらむ美しき開幕。
著者等紹介
キング,スティーヴン[キング,スティーヴン][King,Stephen]
1947年アメリカ合衆国メイン州ポートランド生まれ。1974年に長篇『キャリー』でデビュー、以後発表する作品がいずれもベストセラーとなり、「アメリカの家庭には必ず2冊の本がある。1冊は聖書で、もう1冊はキングだ」と言われるほどの人気を博す。99年、本書刊行後に交通事故で重傷を負い、作家生命すら危ぶまれるが復活。旺盛な執筆欲を発揮すると同時に、電子出版にも積極的に関わるなど、現在も一作ごとにその動向が注目されている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
志田健治
12
『蝿の王』読んでおいてよかった!思えばキング氏のどれかの作品のあとがきで『蝿の王』の引用があり、すぐに図書館へ、頁を開いたその瞬間からまさにボブ少年のように読み耽ったものです。そう、テッドとボブのような関係がキング氏と私の間にすでに成立していたのです!だからこそ、この作品は素晴らしい!なんという愛のある小説なのでしょう! キング氏の作品はどれも大好きですが、少年少女が主人公だと当たり感があります。少年文学としても秀逸だと思うのです。本当に面白い!これまた映画も楽しみです。あの名優がテッドか〜。ふふふ。2017/05/19
びぎR
4
『1960年夏、11才のビリーはアパートの上階に住む老人テッドと交流を持つようになる。』「アトランティスのこころ」自体は中編5編だが上巻は「黄色いコートの下衆男たち」のみと、ほとんど長編のボリューム。11歳という微妙な年齢と1960年のアメリカという舞台がいかにもキングっぽい。作中で登場する「蠅の王/ウィリアム・ゴールディング」は是非読みたい。終盤にはダーク・タワーの世界観が色濃く現れる。テッドがダーク・タワーに出てくるらしいけど覚えてないなぁ(^_^;) バラが重要なアイテムだというのは覚えてた(笑)2020/05/09
よし
4
全く先が読めない。ページを捲る時の息の乱れ。下巻は、いったいどうなるのだろう? アトランティスのこころって、何だろう? 少年達の夏・・・自分の子供時代の原風景かもしれない。2013/12/05
ろっか
4
幼い頃を思い出す。あまずっぱい日々がつまってる。そしてテッドとボビーの魂のつながり。不気味な黄色いコートの男。「地図を持たずに この本の世界に足を踏み入れてほしい きみ自身が探検して地図をつくるんだ」テッドから本の読み方を学びました。2012/06/01
バトルランナ-
3
感想は下巻。2022/09/27