内容説明
カミュ死後32年、『手帖』第3巻がついに刊行された―。生の歓喜と死の影が交錯する『太陽の讃歌』、混迷する社会情況の中で中庸の精神を説いた『反抗の論理』、そして、サルトルとの訣別や妻フランシーヌとの葛藤に苦しみながらも、内省を深めていった晩年…。丁寧な訳注を豊富に加え、全3巻を新たに訳した待望の決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
12
カミュの手帖三分冊を一冊にまとめ全訳したもの。ハードボイルドでストイックな熱気を帯びたアフォリズムが凛々しい。異邦人などから感じる第一印象だけの冷たさとは裏腹に、カミュは自らの魂のパトスに忠実に、世界に1人向き合った作家に感じる。全ての、左翼も含めた機械的抑圧から遠退き、世界の根源的不条理と格闘し、孤闘者の倫理と正義を突き詰め考え続けた結果として、その言葉はアウトサイダーたちが共鳴する、明かしえぬ共同体を切り開いた。不条理作家ではなく生命讃歌としてのカミュの姿が、このメモ集では鮮明に表れている2012/10/19
なおき
1
カミュの創作に関わることが書いてある彼の備忘録。哲学にそった小説を書いているカミュだが、やはり難産なものばかりだったのだろうと手帖から読み取れる。カミュの声が直接読める本。2013/11/26
ULTRA LUCKY SEVEN
0
全ての小説より生々しくて、好きです。これを読むと、小説は物足りない。2013/10/29
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