出版社内容情報
少年のイノセンスを瑞々しく描いたカポーティの名作を、村上春樹が新訳。1940年代アラバマ州の田舎町。母を亡くした少年コリンは遠縁にあたるドリーとヴェリーナの老姉妹に引き取られる。ドリーは妹との諍いを機に、コリンとメイドのキャサリンを連れてツリー・ハウスで暮らし始めるのだが……。初期の名作「草の竪琴」のほか、「最後のドアを閉めろ」「ミリアム」「夜の樹」の短篇3作を収録。
【目次】
内容説明
傷つきやすく夢見がちな少年コリンの冒険を描いた名作「草の竪琴」に加えて、「最後のドアを閉めろ」、「ミリアム」、「夜の樹」の計4篇を収録した新訳短篇集。
著者等紹介
カポーティ,トルーマン[カポーティ,トルーマン] [Capote,Truman]
1924年ニューオーリンズ生まれ。19歳のときに執筆した「ミリアム」でO・ヘンリー賞を受賞。’48年『遠い声、遠い部屋』を刊行し、「早熟の天才」と絶賛を浴びる。晩年はアルコールと薬物中毒に苦しみ、’84年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
166
          
            私はハルキストでも村上主義者でもありませんが、村上春樹の新作および翻訳小説をコンスタントに読んでいます。本書は、中編+短編集、オススメは、表題作「草の竪琴」です。アメリカにはリスを食べる文化があるのでしょうか❓🐿 村上春樹が、こんなにもトルーマン・カポーティの影響を受けているとは思いませんでした。 https://www.shinchosha.co.jp/book/501410/2025/07/11
          
        tosca
37
          
            「草の竪琴」の他、3篇の名作短編が併録されている。「草の竪琴」は、両親を亡くした少年コリンが父の従姉妹にあたるドリーとヴェリーナの姉妹に引き取られるところから始まるおとぎ話のような、なんとも切ない少年時代の物語だが、初期の名作と言われる「ミリアム」は夫を亡くし一人ひっそり暮らす主人公の前に現れる謎の少女。不穏。いったい何者?「夜の樹」は夜行列車で主人公が相席になった謎の男女、不思議。「後の扉を閉めろ」自己中心的で思いやりの欠片もない男にかかってくる謎の電話。何者?3篇とも不穏で表題作とは全くテイストが違う2025/09/30
          
        くさてる
19
          
            美しい文章、目に浮かぶ情景描写と人物像、苦味あるリアリティとそれを溶かす優しいまなざし、という表題作は、これ一本でカポーティの名前が残ったとしても不思議ではない傑作。同時収録の「ミリアム」「夜の樹」が、それとは違うベクトルで傑作なのも言うまでもなく。同じ作者の作品には違いないけれど、その差を「夜の文体」「昼の文体」と評しているのが分かりやすい。しかしやっぱり「ミリアム」の怖さは一級品です……2025/08/28
          
        hirayama46
9
          
            表題作は中編くらいのボリュームで、カポーティのあたたかみが出たお話になっていました。しかし、後半の短編3編がどれも不穏というか不気味というか、ホラー的でさえあったので、読後感はやや重めでしょうか。「ミリアム」は特に「異色作家短篇集」シリーズに入っていてもおかしくなさそうなサイコサスペンスで、たいへん(厭な話だけど)好きな話です。2025/10/30
          
        ブロッコリー
7
          
            図書館。 言葉の選び方 表現の仕方。 こんなに違うのはどうしてなんだろう。 読んでいると、自分がすごく深い谷底に入って、 1人の世界で過ごしているような …そんな気分になる本です。2025/08/12
          
        

              
              
              

