新潮・現代世界の文学<br> 金持になったウサギ〈2〉

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新潮・現代世界の文学
金持になったウサギ〈2〉

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  • サイズ B6判/ページ数 358p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784105001131
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

ある日、ケント大学に通っている息子のネルソンが、女友達メラニーを連れて家に帰ってくる。彼女を家に泊めるかどうかで一悶着が起こる。古い世代のウサギには、二人の関係がうまく理解できない。やがて、ネルソンの子を身ごもったプルーという女性が出現する。ウサギも結婚以前に妻のジャニスを妊娠させた過去を持つ。ネルソンは親の通った道を確実にたどりつつある。ウサギは完全に枯れきってはいないが、行動よりイマジネーションの世界に生きることが多くなり、死への予感をおぼろげに感じだす年代になったのだ…。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

55
ハリーとネルソンの間には、様々な確執がある。 ネルソンにとっては、ハリーはどうしようもなく自分勝手で頭の固い頑固おやじだが、ネルソン自身もどこかちゃんとしていない優柔不断なボンボンに育ちつつある。ハリーの過去の行状からすればネルソンはちゃんと育った方ではないかと思いもするのだが、彼の優柔不断さや女性関係の対処法があまりにも父とそっくりなのに驚かされる。それでも、一家も金持ちになったことだし、なんとか父子関係が改善していってくれることを願いたい。2016/10/18

田中

18
ハリーを通して、大衆文化(エイリアン公開)、市民生活(金投資)、時事問題(イランの大使館人質事件)を示す通俗物語。彼らの思考がずいぶん日本人とは違う。「ソニー」のテレビを買うハリー。日本の家電品がこの頃から評価されていた。ハリーと子ネルソンの確執はどっちの言い分も正しいと思う。妻たちの大胆な性。金とセックスがきわだった話。ウサギシリーズの三部目は「全米批評家協会賞」「ピューリッツアー賞」「全米図書賞」を獲得。史上初の三冠受賞に輝くミスターアメリカ「アップダイク」の名著。とことん「米国人」がよく分かる。 2017/12/09

ヘラジカ

8
個人全訳版で読了。2016/10/15

amanon

3
前巻から続くウサギとネルソンとの愛憎関係。しかし、ウサギに対してネルソンが抱くあからさまな反抗には、かなり露骨に父親に対する求愛が見て取れるというのが、可愛いというか、情けないというか…それに自分の子を宿した妻に対する優柔不断な振る舞いも、かつてのウサギを思わされて、血は争えないというか、所詮は同じ穴の狢というか…それからウサギ夫婦が所属する小金持ちのサークル活動のエピソードは、個人的には退屈させられたというのが正直なところ。ただ、終盤での旅行でウサギがセルマに愛を告白されるシーンはかなりグッときたけど。2013/12/05

Z

2
いい話だったと思う。中産階級以上の人間がダメ人間になりそうな息子を抱えた話しに80年代の風俗を絡めてかかれている。雰囲気はロスや村上春樹ににているかな。赤ちゃんに元気をもらうモチーフがでてくるが、モーパッサン『女の一生』より断然こちらのほうがよい。2014/03/05

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