内容説明
殺人を犯した人間が「人権」によって守られ、「金がない」というだけで被害者への賠償義務を免れる―この理不尽な現実を劇的に変える!“賠償監獄”での「完全賠償」を追求し、真の償いの道を示す究極の書。
目次
第1章 公開されない真実
第2章 監獄国家アメリカ
第3章 短絡殺人の時代
第4章 嗤う犯罪者―加害者が賠償をまぬがれる理由
第5章 被害者のための新人権主義―あらゆる犯罪者に完全賠償させる方法
第6章 やわらかな監視社会(無犯罪社会をめざして)
第7章 この人々を見よ
著者等紹介
中嶋博行[ナカジマヒロユキ]
1955年生まれ。作家・弁護士。第40回江戸川乱歩賞を『検察捜査』で受賞。専門知識を生かした骨太の構成で固定ファンも多く、日本では数少ないリーガルサスペンスの棋手。現在、犯罪被害をテーマにしたマンガ『ホカベン』の原作を担当(「イブニング」連載中)。ソフトエアガン安全会議常務理事旗手。現在
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感想・レビュー
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KAZOO
128
中嶋さんは弁護士なのですが、かなり未成年犯罪については硬派のようです。名古屋、神戸や光市の事件などを引き合いに出しておられるのですが読んでいるとわたしもまた非常に憤りを感じます。維新の橋下さんも光市の事件の弁護士をテレビなどで売名行為だと言って非難されていたことを思い出します。日本もアメリカに近くなってきているんですかね。シンプソン事件で無罪になったことを思い出します。2016/11/02
オリーブ
6
生まれながらの悪人はいないと信じたいが、実際には犯罪は毎日のように起こっている。日本では罪に対する罰の最高刑が死刑だが、あまりにも犯罪被害者への理不尽さを思わざるを得ない場合も多い。では、人の命を奪った者には死んでもらってそれでスパッと解決するのか?それとも、やはり更生させるべきなのか?血税をかけてまでやり、それが再犯と言う形で裏切られた場合は?犯罪者の中には死刑判決が出て初めて命が失われると言う意味に気づく者もいるし、自暴自棄になり思考停止になる者もいる。正解が分からないこの問題を国民全てで考えるべきだ2014/06/02
ゆきねこ
5
弁護士である著者が考える殺人などの凶悪犯罪の加害者に被害者への金銭面での賠償をさせることが出来る方法を提案してあります。なかなか興味深いです。ここまで出来るかどうかは別にして少しでも被害者の負担が軽くなる法改正が望まれます。2011/11/30
ギルヲ
4
加害者の人権についての考察。更生をを目指す制度の限界、刑事裁判と民事裁判が分離していることがいかに被害者(家族)に負担を強いるか、決定されても支払われることのない賠償金等、著者の怒りがこちらにもしっかり伝わる熱い本でした。刑事裁判と民事裁判を同時に行う『付帯私訴』の復活、刑務所民営化によって、困難な犯罪者の更生など捨てて安い労働力として割り切り、賃金を賠償金に充てる被害者救済最優先のアイデア等の意見は法務に関わる人たち、特に政治家には大いに参考にしてほしい。2004年の本ですが多くの人に読んで欲しい1冊。2022/09/29
mimm
4
のっけから公開されない事件の真実の例に涙が出ました。そしてこの犯罪者たちを擁護し一刻も早く世に放とうとするのか、弁護人に怒りを覚えました。12年前の本と古いものですが、現状はそんなに変わっていないような。人権派弁護士と言うが、そもそもの人権の本質からかけ離れた現状が理解できます。更生の難しさ被害者が置き去りにされている現状、もどかしさが私のわだかまりと一致し(別に私は犯罪被害者じゃありませんが)もやっと感が晴れました。2016/02/09