内容説明
「うつ病には○○の摂取が有効」「漢方もいいらしい」「脳トレで認知症は治る」…、精神疾患の治療と称し、罷り通る数多の妄説。しかしその「まやかし」が、取り返しのつかない重篤な患者を大量に生み出している。代替医療というペテン、薬物、そしてカウンセリングの罠、さらには診断基準の陥穽まで、不実と偽りのその実態。シリーズ第四弾。
目次
第1章 食事療法というペテン
第2章 フロイトの大罪
第3章 薬物療法のウソ
第4章 「心のかぜ」か「青い悪魔」か
第5章 混合状態の危険
第6章 乱造された精神疾患
第7章 患者を蝕む疼痛の呪縛
第8章 脳科学のファンタジー
著者等紹介
岩波明[イワナミアキラ]
1959年、横浜市生まれ。東京大学医学部医学科卒。医学博士。精神保健指定医。東京都立松沢病院を始め、多くの精神科で診療にあたる。東京大学医学部精神医学教室助教授、藍野大学設立準備室、埼玉医科大学精神医学教室准教授を経て、2008年より昭和大学病院精神科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キムチ
49
筆者岩波氏の論調は明快そのもの・・だからこそ反感を買う余地は十分と感じた。最近関わることが多い精神疾患、実態は掴めぬまでにも少しでもカーテンの向こう側の世界を知りたいと手に取った次第。代替医療を中心に実例をベースに批判を連打。確かに食事療法、サプリメント摂取、NEVのまやかし論理への批判は理解できる。しかし、「うつ病=心の風邪」といわれる安易な視方への強烈な皮肉、脳トレの無意味さ、脳内ホルモン、脳科学者のタレント化への言及は多少感情的なものも感じた。統合失調症に関してはますます混迷を感じ更なる本を漁りたい2015/12/22
よしじ乃輔
5
先に読んだ事件の精神鑑定を担当されていたので読んでみた。臨床に詳しく無い医師の薦める「○○が有効」などの儲け優先な姿勢や、マスコミによる薬の誤報道などを批判されておられます。精神という臓器として存在しないものを人が診断するのは大変難しく経験によるところも多分に多いでしょう。誤診も重大な問題でしょう。それも理解はできるのですが、、モヤっと感が残るのは批判に終始し、ご自分の論には出典先が無いからか…。煽りにも感じるタイトルと内容は不一致感あり。2021/12/26
惰性人
3
根拠のない代替医療や偏った報道をするマスコミ、いたずらに薬を忌避する患者をケースをあげて批判しています。結局、精神医療というのは未だに半経験的な医術なんだ、と思ってしまいましたが、いいんでしょうか...2012/07/08
藤井
2
読みやすいがタイトルと内容が違うのでアレ?っと思ってしまう。 そして、ジャーナリズム・漢方・カウンセリングの批判が多かった気がする。2013/07/24
あられ
2
読み終わった他のみなさんがおっしゃるとおり、タイトルと内容のギャップが大きすぎ。代替医療に頼らず、地道に治療しましょう、ということですね。最後の痴呆症の例は、こんなにひどい症状もあるのか、と驚いた。 ←読み終わって、再読に気がついた。orz。。。2012/04/15