内容説明
団欒なき寂しいリビングルーム、子ども部屋へ篭もったままのわが子、会話のない夫婦。最後に家族全員で笑い合ったのは、いつだっただろう―どれか一つでも身に覚えのある方は、ぜひご一読ください。冷え切った家族関係は、実は画一的な間取りから生まれるのですから。購入を考えている方もそうでない方も、目からウロコの画期的な住宅論。
目次
第1章 LDKは日本人に合わない
第2章 誰もいないリビングルーム
第3章 子ども部屋こそ、親の知らない子どもを作る
第4章 お年寄りを間取りが殺す
第5章 夫婦の時間の過ごし方
第6章 家族のストレスを加速させる住まいの環境
第7章 家とは、何か―
著者等紹介
横山彰人[ヨコヤマアキト]
1948年山形県生まれ。日本大学理工学部建築学科卒。建築家。小崎嘉昭建築事務所を経て、一級建築士事務所・横山彰人建築設計事務所主宰。住宅建築・リフォームをてがける。最近では各誌・紙からの寄稿依頼、学校・ハウスメーカーからの講演依頼多数。住宅相談室を開設している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
冬木楼 fuyukirou
20
「家族から住まいを見る、という視点に立ち、団欒の場を中心とした家族空間を、どう考え、どう具体的に構成していくかが、この本のテーマでした」とのこと。題名から家の間取りのうんちく話かと思ったら、衣食住の「住」の部分が軽んじられている、という考察だった。 あらためて「住」の大切さに気がつかされたが、出版が2004年と古いのでこれから家を作ろうとする若い人には記載されている事件がどういうものだったか知らない人もいるだろうなとも思った。2017/01/06
みのにゃー
4
子供部屋弊害論がメイン。目新しいことは特になく・・・。筆者の設計した家も広い敷地で、所詮は金かとも思います。「子育ての究極の目的は、受験戦争に勝ち抜くことではなく、子どもを自立させ、豊かな人間性と社会性を身に付けさせること」には賛成。2014/10/09
オカヤン
3
子ども部屋についてとか、子育ての観点の指摘がよかった。とりあえず、子どもが見える場所や工夫が大切。夫婦の寝室が大事など、よかった。子供部屋を再考したい。2017/10/17
かよこ
2
中庭のある家素敵!日本の住宅は、間取りのバリエーションに乏しいと常々思っていたので、著者の設計はすごく斬新だった。夫婦の寝室より子ども部屋を優先させる風潮にも疑問に感じていたけれど、その感覚は間違ってなかった。高層住宅の弊害、実感としてよく分かる。用事が無ければ家から出ないし、子どもも家遊びをさせてしまう。終の住処と思ってないから家を大事にできないというのは、納得。丁寧な暮らしをしていきたい。2016/12/01
あーさー
0
いわゆる「おもしろ間取り」的な本を久しぶりに読みたいなと思い、110円だったのでタイトルで判断し購入。そうしたら、一級建築士さんによる“こんな間取りだと家族がダメになる”というマジメな本でした。私なんかは“中庭とか吹き抜けが、そんなに効果をもたらすかねぇ”なんて思っちゃいましたが、考えさせる内容ではありました。2024/02/05