映画はやくざなり

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104609017
  • NDC分類 778.04
  • Cコード C0074

内容説明

やくざ映画、それは究極の人間喜劇―欲望、嫉妬、暴力、裏切り。人間の真実を鮮烈に抉った不朽の名作「仁義なき戦い」はいかにして生まれたか。やくざ取材術から鶴田浩二、高倉健、深作欣二ら名優・名監督の秘話、そして伝説の作劇法まで、邦画黄金時代を支えた脚本家の刺激的な遺作集。

目次

わが「やくざ映画」人生
秘伝 シナリオ骨法十箇条
未映画化シナリオ 沖縄進撃作戦

著者等紹介

笠原和夫[カサハラカズオ]
昭和2年(1927年)東京生まれ。日本大学英文科中退。海軍特別幹部練習生から様々な職を経て東映宣伝部に入る。昭和33年からシナリオ執筆を始め、東映任侠映画路線の花形ライターとなる。昭和56年と58年に日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。平成14年12月12日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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もりくに

48
学生だった70年前後、映画はアメリカン・ニューシネマと「健さん!」ものをよく観た。特に「健さん!」の様式美は、時代の騒然とした状況によくマッチした。中でも、「博打打ち 総長賭博」にはシビレた。そして、脚本家「笠原和夫」を記憶した。時代は「実録」路線に移行したが、「任侠」ものに比べて、生々し過ぎて敬遠した。だから大ヒットした「仁義なき戦い」の脚本が笠原で大いに心動いたが、結局その時は観なかった。菅原文太にも、何となく乗れなかった。それが、彼の沖縄知事選での「弾はまだあるがや」を聞き、観る気になった。→2020/12/20

カザリ

29
仁義なき戦いの脚本家の笠原先生のエッセイ!大ファンになってすぐ購入。ヤクザを描くためには日本の上流階級も敵に回すということがわかって、限界を感じ歴史モノに転向したという流れは、脚本家として忸怩たる思いがあっただろうなと思います。日本の銀行政治家企業の闇を描かなければヤクザひとりリアルに描けないというこの一文に笠原先生のその後の作品のラインナップが伺えて、身が震えるようでした。2019/03/08

こうすけ

19
脚本家・笠原和夫のエッセイや自伝などをまとめたもの。"黒澤映画では『素晴らしき日曜日』が一番好き"と書いてあるのを見て、賛同・納得とともに嬉しくなる。職人として一つ一つの仕事にちゃんと向き合いつつ、自分の表現したいことを忘れない姿勢が傑作の数々を生んでいく。巻末の未制作シナリオ「沖縄進撃作戦」も素晴らしかった。2020/11/22

シッダ@涅槃

17
(巻末未公開シナリオ以外読了)いやー、清々しくのどごしのいい文体だ。さすがセリフで飯食ってきたひとだ、という気がする。昭和2年生まれの方の文章(あるいはインタビューなどの口述でも)だと大概ジェネレーションギャップめいたものは感じるから。いざ執筆となんたら「そうしなきゃ生きたセリフは出てこねぇ」とばかり飲みまくるのも面白い。ただ、やくさ~実録もの路線を離れたのちは本人も胃を全摘するような大病を患うこともあり、ペーソス溢れる。。とはいえ、全体的に良質の自己啓発本のような高揚感がある。2022/11/06

Hiroki Abe

8
饒舌な職人ってめちゃくちゃ面白い。芸術にせず、生きる糧として量産された脚本たち。愛すべき人物たちとともに映画を築く矜持は読んでいて思わずニヤッとしてしまいます。映画はまさしくやくざなり。2017/06/13

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