内容説明
謎の男娼、その名は「ギニョル」。純白の肌に口を開けた真紅の傷跡が、平凡な中年男だったはずの「私」の中の何かを壊した。甘美な嗜虐と官能の日々。しかし、「邪悪ナル世界」に本当に監禁されたのは、実は私だった…。第3回ホラーサスペンス大賞。
著者等紹介
佐藤ラギ[サトウラギ]
1968年3月16日東京都生まれ。『人形』で第三回ホラーサスペンス大賞を受賞。マレーシア在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
113
表紙を飾る吉田氏制作の人形とあらすじに惹かれて手にした本。ギニョルと呼ばれる男娼と出会ってしまったSM小説家、そしてその友人であるカメラマン。この3人を中心に展開されていく話なのだが、文中のギニョルの言葉通り確かに生温い。官能小説でもホラーサスペンスでもない。それにどう読んでもこれは続編があるとしか思えない中途半端さで、謎は残ったまま置いてけぼり。個人的にはへタレなSM作家の視点などでなく、壮絶な生き方をしてきているギニョル視点で彼の父の事や今までの被虐体験を中心にもっと精神性のほうを描いて欲しかった。2014/05/14
青蓮
106
数年ぶりに再読。此奴ハ邪惡ナル世界ノ罪人/汝ヲ邪惡ナル世界ヘ連レ去ル者ーー作家の「私」はある男を介して謎の男娼「ギニョル」と出会う。甘美な嗜虐と官能に溺れる日々に「私」の中の「何か」が壊れていく。「ギニョル」とは何者なのか。頽廃、背徳、残虐の果てに見た世界ーーとても濃密な作品でした。でもあっさりした描写や文章のせいか、それ程エグくもなく官能度も低め。結局「正シキ世界」から踏み出すことができなかった「私」は「平凡」という敗北者なのだ。それが少し寂しい。「邪惡ナル世界」で生きられるのはほんの一握りの人間なのだ2018/01/13
YM
72
装丁とタイトルから、怖い話かと思ったけど、ギニョル(人形みたいな少年の愛称)にキュンとした。僕が最近好んで読んでるピグマリオニズムとはちょっと違って、誰もが持ってるサディスティックな部分をギニョルが、ちょんちょん刺激してくる。ノーマルな主人公は、なかなかあっちの世界には行ききれない。だから描写もそこまで激しくない。それでも面白いのはギーちゃんの魅力!彼の行動、言動からは目が離せない。でも心配しなくても大丈夫。ギーちゃんは本物なんよ。2015/01/12
コットン
64
無料の性的道具:17才位の少年ギニョルに人間として接しようとする猪俣だったが、決して他者を受け入れない頑なな態度と、どんな命令にも従う従順な仕種によって、衝動的に吾を忘れベルトのムチをふるい続けてしまう。加害者が心の被害者となりうる微妙な力関係とその先のインサイダーでもなくアウトサイダーでもない境界でさまよう猪俣は複雑な社会で救いを求める現代と相似のように感じる。2018/05/03
らすかる
46
読友さんのおすすめ本。近所の図書館にあるところがすごい!ギニョルと呼ばれる美少年を監禁して落ちてゆくSM作家とエロカメラマンの男二人。それだけでも淫靡で背徳感満載。ギニョルへの嗜虐的な行為もあり、何ともアブノーマルな世界。読んでて思った、私SでもMでもな~い!なので理解は出来なかったけれど不思議と耽美な世界に浸れました(o´艸`)2019/03/24
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