出版社内容情報
十九歳で石油化学業界紙記者となった青年は、高度成長の只中で企業トップや官僚と互角に渡り合っていく。自伝的経済小説の決定版。
内容説明
「日本経済の青春期」を型破りに駆け抜けた業界紙記者がいた。裏も表も知り尽くした著者渾身の自伝的経済小説!幻の処女作「自轉車」を特別収録!“昭和三十三年、高校中退の杉田亮平は石油化学新聞社に入社した。「まもなく二十歳、ここにいる誰よりも筆力も取材力もあると思います」。生意気な言葉通りに、彼は持ち前の度胸と機転で、高度成長期の企業トップや官僚と互角に渡り合う。国策会社民営化、エチレン不況カルテル、企業間の技術譲渡…数々のスクープで業界を激震させ、水面下で経済を動かしたのは、毎号わずか四ページの業界紙だった―。”
著者等紹介
高杉良[タカスギリョウ]
1939(昭和14)年東京生まれ。石油化学専門紙記者のかたわら、1975年『虚構の城』で作家デビュー。綿密な取材に立脚した経済小説の第一人者として活躍。『金融腐蝕列島』シリーズは映像化され、大きな反響を呼んだ。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
50
高杉良さん、その名はよく聞くが初読みかな。自伝的小説らしい。自意識過剰、いやすごい自信家。それだけの実績があるから真実でしょうが。2021/05/13
Syo
29
自叙伝? 面白い2022/01/25
detu
26
図書館新刊棚より。高杉良は映画を2,3観ただけで読んだことはない。前半やたら固有名詞がフルネームで何の話だろう?と掴みきれず。その内、化学工業の歴史物なのかと思いきや、実在の政治家や財界人の名前が出てきて、高杉良の自伝だったと気がつく。ジャーナリスト時代はタイトル通りというか自信過剰というか強引というか、それを自分で言っちゃうんだ。しかしこういうマスコミ人が時の政権や行政を監視していたのだろう。今現在のジャーナリズムの情けなさを思う。2021/05/14
4丁目の父ちゃん
10
高杉さんの作品はほとんどと言っていいほど読ませていただいた。本書は、自伝的小説であり破天荒というタイトル通り凄い人生を送られた様です。金融腐蝕列島シリーズは10年間楽しませて頂いた。なぜか エクボの清水さんが忘れられない。2021/12/18
歴史好き
4
本書は、元業界紙記者の作家による自伝的小説である。その魅力の一つは、高名な通産官僚が実名で登場する点にある。たとえば、天谷直弘が主人公を使者代わりに大蔵省へ出向かせ、同省の意向を探らせた上で、政策決定に臨む場面は印象的であった(76頁)。無頼派気質ただよう筆致に武勇伝を誇示する感があることに鑑みれば、読者は本書上の実在人物の動向を割り引いて受け止める必要があろう。それでも、このような記述に好奇心をくすぐられることもまた確かである。その意味で、本書は業界小説として一定の価値があると考えられる。2021/09/15
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- 和書
- 夢は9割叶わない。