内容説明
過去の呪縛から逃れるため転校した神戸の小学校では、奇妙な遊びが流行っていた。「牛男」と呼ばれる猟奇連続殺人鬼の、次の犯行を予想しようというのだ。単なるお遊びだったはずのゲームは見る間にエスカレートし、子供たちも否応なく当事者となっていく―(表題作)。新世代文学の先鋒が描き出す、容赦ない現実とその未来。ボーナストラックとして書き下ろし二編を収録。
著者等紹介
佐藤友哉[サトウユウヤ]
1980年生まれ。2001年『フリッカー式―鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞を受賞しデビュー
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感想・レビュー
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モモ
36
ギブアップ。「子供たち怒る怒る怒る」は読んだが「リカちゃん人間」でギブアップ。2021/10/28
まったん
15
タイトルに惹かれ、表紙の不気味さに躊躇したが、怖いもの見たさで手に取った。「大洪水の小さな家」「死体と、」は面白味があり一気に読めたけど、「欲望」は最後まで共感も理解もできなかったし…というかできるわけないし、表題作の「子供たち怒る…」の横山さんの殺され方や、町井さんが電車に乗っているあたりを想像すると気持ち悪くて悪くて…。「リカちゃん人間」は読みはじめてすぐ吐き気が込み上げ悩んだが、どうにか救いがほしく意地で読了。やっぱ無理。文章は読み易かったけど、無理。この作家さんの本は二度と手に取らないかも…。2013/11/21
ふじみどり
15
表題作+5本の短編集。初めて読む作家さん。とっても不謹慎でヤブカラボーな子供達が描かれている。空虚な絶望、灰色の絶望、真っ黒な絶望、絶望した後にも次の場面が展開して、もしかしたらそれは希望に進むこともあるのかもしれないと思わせる内容だった。この物語はある種の潔癖症の大人を不快にさせるだろう。この子供たちが見知らぬ大人の確立した社会に無関心で想像力を働かすことができない様に、彼らもまたその感覚は持ち合わせず、顔をしかめる。若者に受けそうだが、大人こそこの文学テロルの対象だと思う。2012/03/06
扉のこちら側
14
2005年の発売当初に読了。2005/07/26
吉野ヶ里
13
佐藤友哉という作家の悪いところが凝縮された短編集。手なりで書いている、テーマもプロットもなく、練習用の文章を読まされているような気分だった。挑戦的なだけの現代アート、不誠実で滅茶苦茶といった感想。この作家さん、結構好きなので残念です。「死体と、」こちらの短編はテンポが良い。一つの少女の死体を中心に人間がドミノ倒しのように倒れていき軽快。「子供たち怒る怒る怒る」タイトルの通り、子供たちが怒っていた。責任がまだ存在しない幼少時代の理不尽に対する怒り。嫌いじゃないけど、やっぱり滅茶苦茶だし、雑。2020/05/14