出版社内容情報
悪辣な銀行を裏切り南の小島へ逃亡した男。追跡する銀行幹部、暴力団、金融捜査官。美しき島が修羅場に変わる――欲望と憤怒の長篇！
伝説に彩られた美しき島に、「金融」という妖怪がやって来る――。悪辣な銀行を裏切って、男は沖縄の離島へ逃亡した。銀行の死命を制する一本のＵＳＢと共に。執拗にその行方を追う銀行幹部と、結託する暴力団。金融庁長官の特命を帯びた捜査官・伊地知耕介は、彼を救うことができるのか。静寂な島は、やがて修羅場と化していく……経済小説の名手が新境地に挑んだ欲望と憤怒が漲る長篇サスペンス！
内容説明
中小企業を餌食にして拡大を続ける銀行・ＪＩＢ。その死命を制するデータを手に、男は伝説に彩られた沖縄の離島へ逃亡した。必死に男のあとを追うＪＩＢ幹部と、結託する凶悪な暴力団。金融庁長官の密命を受けて、捜査官・伊地知耕介も島に向かう。はたして男を救うことはできるのか。極秘のデータとは。静寂な島が修羅場と化していく―経済小説の名手が渾身の筆で描く極限の金融サスペンス！
著者等紹介
江上剛［エガミゴウ］
１９５４年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、第一勧業銀行（現みずぼ銀行）に入行。９７年の第一勧銀総会屋事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力した。２００２年、築地支店長を務める傍ら『非情銀行』を発表して作家デビュー。０３年に退行し、以後、執筆に専念している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
52
中小企業を餌食にし、暴力団のマネーロンダリング資金で大きくなるＪＩＢ銀行。データを手に専務取締役が逃亡。舞台は沖縄、宮古島から一日二便の高速船で行き来する鬼忘島（きぼうじま）。銀行幹部、暴力団、金融庁捜査官が島に乗り込む。…銀行が融資とマネロンで膨らんでいくからくりは、読むとなるほど！と思います。金融庁の内部、男の足の引っ張り合いもえげつなく、でもうなづいてしまいます。対照的に綺麗な島、島の人々、泡盛。金融と島と、どちらも好きなんだけど、最後、こうやって繋げたんですね……という終わりかたでした。2015/06/10
Syo
12
なるほど。 途中まで沖縄の鬼忘島に 行ったのが誰かよく 分からなかったけど…。 ふむふむ。 読み終わったら…。 なんてことは ないような。2015/07/23
Yunemo
11
なんだか焦点が定まらないまま読了です。途中まで、金融検査官のイメージで読み進み、拳銃が出てきて、アレッという感じに。また、金融と民族的なもののマッチングにちょっと無理があるのかな、との素朴な疑問。いろんな経済・金融部門を登場させてはいるのですが。違った手法があったのでは、との想い強し。以前読んだ同著者の「渇水都市」の読了後に感じた徒労感を覚えます。せっかく金融捜査官という分野を立ち上げたわけですから、もっと具体性のある生々しさを表現してもらいたかった。これが本音。循環型経済世界、いいじゃないですか。2015/06/20
けいこ53
9
初江上作品。金融捜査官.伊地知耕介ー本帯に極限の金融サスペンスと書いてあったので期待して読んだのですが…。沖縄の離島の澄んだ空気.海.人々が本土の悪を浄化してくれた。マネーロンダリング等銀行のダークな内部興味深かったけど、何故か読み辛かった～残念。2015/07/05
りょうけん
7
☆1個 初めて読む作家さんです。ちょっとなあ～と思ったのは、いったい誰が主人公なのかが時々判らなくなる事。あ、こいつが主人公なんだ！と分かった方がやはり読み易いです。 ええとそれと、現代の小説にはめづらしく、ほとんどケータイ電話を使った会話が登場しません。まるで意図的にケータイ電話を排除しているように思えますが、全く登場しないわけではないので、さあどうなのだか。 そしてラスト場面はは島田荘司の強引ミステリー小説そっくり。 そんな展開の作品が面白い訳もなく。 失敗読書でした。 ああ損読でした。2015/06/12
