内容説明
高台に建つマンションで共同生活を始めた明日香と真弓。その新しい部屋で奇妙な出来事が次々に起こる。バスルームに残された得体の知れぬ毛髪、新聞受けからこぼれ落ちる蛆虫…。そして真弓が浴槽で謎の死を遂げる。彼女の恋人も失踪し、残された手紙には「僕たちは許されるのか」という走り書きが。やがてマンションの隣人たちは不気味な行動を起こし、暗く湿ったボイラー室の扉が開かれる…。第2回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。
著者等紹介
春口裕子[ハルグチユウコ]
1970年横須賀生まれ、横浜育ち。慶応義塾大学文学部卒業後、損害保険会社勤務を経て、執筆活動に専念、『火群の館』によりデビュー
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感想・レビュー
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あも
44
司法浪人生の明日香は母の再婚を機に友人の真弓とルームシェアを始める。融通の利かない明日香、サバサバを装ってそうで痛い真弓、ベタにクズい彼氏の秀と、皆まとめて不幸になりやがれー♡と言いたくなる不快なメインキャラたち。カボチャからまろび出るウジ虫に蛇口から溢れ出る髪の毛、舌いっぱいの吸盤…とえぐい描写が多く、じわじわ不快さと恐怖が粘着質に迫ってくる様は好み。場面転換がやや分かりづらいのとホラー要素の説明がないままだったのが残念。エピローグが切なくて、やっぱり多田野以外はみんなまとめて不幸になーれと思いました。2017/06/28
sui
30
春口裕子さん初読み。大学卒業後司法試験合格のため勉強を続ける明日香は、友達の真弓と一緒に暮らし始める。陽当たりのが良く心地良いマンション。だが、小さな違和感が重なっていく・・・。重罪ではないが、ほんの小さな違反行為が、結果的には人の死に繋がり誰かの人生を狂わせる事にも繋がる。貫井徳郎の「乱反射」に共通するところがありますが、本作は少しホラー要素が盛り込まれている。大量の髪の毛や、蛆、気持ち悪かった・・・。今夜南瓜料理作ろうと思ってたけど・・・止めておきます。他の作品も読んでみたいと思います。2016/09/23
鬼灯の金魚草
24
オカルトの部分がよくわからなかった。必要かな。みんなやってるからって、罪の意識は確かに薄れるが些細な事で無関係な人をドン底に突き落としてしまう危険は確かに有るのかもしれない。すっごく気をつけようと思ったけど、そこまでやる?秀ってヤツ嫌な奴。主人公もちょっと好きになれない。2017/04/09
ちょん
23
うーん、面白く読んでたのですが、謎解きとホラーが混ざりあってしまって最後不完全燃焼。どっちか1本に絞った欲しかったなぁ(´^`)ミステリーの感じはすごく好きでした👀💡別の著作もあるなら読んでみたいです。 2020/02/14
なな
22
面白かった。ただ 不思議な現象の正体が今ひとつ分からず、明日香のその後は やっぱり?なのか。モヤッとした読後。2021/03/01