内容説明
マラソンは、“高度な心理ゲーム”である―。下り天才高橋尚子、終盤に抜群のスピードを持つリディア・シモン。2000年9月。二人の天才がシドニーで激突した。高橋の作戦は終盤までにシモンを振り落とすこと。シモンの戦術は40キロ地点まで高橋についてゆくこと。小出監督の周到な作戦がシモンの驚異的な精神力を揺さぶる。シモン陣営のリディアへの信頼は小揺るぎもしない。両者・両陣営の緻密な計算を狂わせたのは些細な偶然だった。マラソンという精密なドラマを十全に描きえた渾身のノンフィクション。
目次
きんどぎん
勝負は下駄を履くまで
金の卵
黄金への道
嵐の前の静けさ
ロルーペが消えた
賽は投げられた
金メダルへのターン
金の行方
ボルダ―に金脈あり〔ほか〕
著者等紹介
黒井克行[クロイカツユキ]
1958年(昭和33)年、北海道旭川市生れ。早稲田大学第一文学部卒業。「週刊新潮」「週刊文春」などで取材記者として活躍。今、最も注目すべきジャーナリストの一人である
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
1
レースの距離がもう少し長かったら結果は違っていた。そのようなレースは、思っているよりもたくさんある。しかし、何と言おうとも最初から距離は決まっており、仮定の話はあくまでも過程に過ぎず事実にはならない。実力には差がなく、結果はその時の運なども左右してくるが、それをつかめる人だからこそ成功できるとも言える。2015/12/13
町田@あの娘にキスと白百合をにはまり中
0
ランナーには是非とも読んでほしい 高橋尚子とリディア・ジモンのオリンピックでの駆け引きを書いた本…なのだが、途中のボルダーの描写、冗長すぎィ!! 読者としては、はやくマラソンの結果がみたいんだよなあ… ボルダーの話、もっと短めにして、どうぞ2016/11/23
Humbaba
0
オリンピック煮かつということは、非常に難しいことである。実力が必要なのは勿論だが、実力があれば必ず勝てるわけでもない。挑戦できるチャンスが少ないからこそ、一回のミスも許されない。あの時別の判断をしていれば、と悩んだとしても取り返せないのだから、リスクを負ってでも攻める姿勢が大切となる。2014/11/14
すぴか
0
ずっーーと棚の中にあった本でした。キューちゃん若い!レースの話だけどレース中に、練習地でのこと、他のマラソンランナーのことなどがどんどん入ってきて、もう少し、レースの中での、二人の心理を書いてほしかったなぁ・・・・って感じがしました。2014/03/05
zzfog
0
他に読んだ人いないんですね。さすがにレースの記憶が薄れているので、映像を見ながら読みたい。もう少し深いところまで取材して、レース中の駆け引きをもっと掘り下げて欲しかったけれど、まずまずの佳作だと思う。2012/07/07