内容説明
生誕129年、いまヴェールをぬぐ若き嗣治の愛と野心と芸術。1913年の大晦日、嗣治は妻に書き送る―マルセーユまで一人で旅行しておいで。世界一の画家となる人の妻だもの。封印されていた若き日の手紙をはじめ、新資料を使って描く画家の生涯。第一次世界大戦、エコール・ド・パリ、戦争画、そして…。
目次
第1章 妻とみに宛てた書簡(藤田嗣治と鴇田とみ;房州海岸の恋 ほか)
第2章 第一次世界大戦下のフランス(第一次世界大戦勃発;赤十字救護隊 ほか)
第3章 エコール・ド・パリ(新しい芸術運動;ボヘミアンたちのコミュニティー ほか)
第4章 第二次世界大戦と戦争画(二度目の帰国;壁画『秋田の行事』 ほか)
第5章 国境を越えて(パリ、ふたたび;フジヤマ、芸者、フジタ ほか)
著者等紹介
湯原かの子[ユハラカノコ]
1971年、上智大学仏文学科卒業。大学院を経て、1984年にパリ4大学第三課程博士号、1999年に同大学新制度博士号を取得。芸術家の評伝が専門(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かおりんご
24
かなり筆まめだった藤田嗣治。その手紙を元に、彼の恋愛遍歴が暴露されていく。いやはや、有名人は辛いですね。亡くなってもこうやってプライベートが晒されるのですから。戦後の藤田に対する評価が低く描かれていて、ちょっと残念。2018/11/14
たつや
4
図書館で立ち読みし、思わず借りた。面白かったです。著者に、こんな手紙が蔵から出て来たけど。と、親戚から見せられたのがフジタが妻に送った大量の手紙であった。著者がこの後調べ上げて本書が完成した。未知の芸術家の人生は。刺激的で、おカッパ頭にロイド眼鏡という出で立ちは奇妙に映るが、フランスでは受け入れられていた様だ。この本を手にしたのは美術コーナーです。きっと山田五郎さんの影響です。氏のユーチューブで初めて知る芸術家の多い事、感動した回も多い。自分でも開拓したくなり、本書を手にした。2024/05/06
みほ
1
この人の絵が好きだから読んでみた。同性愛者かと思ったら違った。個性的な容姿がすてき。拾い読み。2012/03/10
i-miya
1
上智大学文学部卒、淑徳大学教授。芸術家の評伝、鴇田家、パリから1時間、ヴィリエ・ル・バークル、一般公開、ランスの平和の礼拝堂、壁画、舶来だよ!、1913-16 179通のラブレター、塚本庸、1886生まれ、1888熊本へ、陸軍軍医総監(のち)、母の死、34歳、1900、パリ万博、出展、水彩画、中学生、日本代表、父に手紙、画の道、許される、10円X5、道具、買った。ピカソ、洗濯船、1904、アヴィニョンの娘たち、1907、1910 メトロ、南北線開通、地下鉄、ポワンカレ大統領、島崎藤村、ギリシャへ帰ろうとい2006/10/02
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