出版社内容情報
倦怠に覆われる京都は薬に溺れた。惟朔(イサク)18歳は妊婦と最愛の女性を置いて彷徨い、覚醒剤を手にし、射ちまくり、視る。性の根源を。悖徳の大河自伝小説。
内容説明
射ちまくり、やりまくる。吉川惟朔、18‐19歳、快と慾に淫する。シャブを入手した惟朔は交わる者に咬ませ、彼らを解き放つ。先には破綻があると知りながら。超弩級の大河自伝。有害か福音か、現代の疾風怒涛小説。装画・著者10代の頃のデッサン。
著者等紹介
花村萬月[ハナムラマンゲツ]
1955年、東京生まれ。中学卒業後、全国各地を放浪する。1989年、『ゴッド・ブレイス物語』で小説すばる新人賞を受賞し、小説家デビュー。1998年、『皆月』で吉川英治文学新人賞、『ゲルマニウムの夜』で芥川賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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風眠
5
惟朔は初めから何も持とうとしないから、何があっても本当の絶望が無い。最後まで読んで感じたのは花村萬月は意図的にそういう男を書きたかったのだろうか、ということかな。2011/03/21
ぐうぐう
3
出会う女を次から次へとひたすら喰い続ける惟朔には、その奔放さから来る愛嬌のようなものがどこかしら感じられるが、シャブの塊を手にし、それを使って人々を奴隷化させていく展開には、やりすぎ感が漂っていて、正直辟易してしまう。しかし惟朔は、不実であることを自覚しつつも開き直るのではなく、ましてや有頂天になるわけでもない。ある意味、無軌道に誠実とでも言おうか。それは惟朔自身が、この流れの先に待っている破綻を知っているからだろう。くるくると、限りなく因果が続く惟朔の青春は、だからこそ、おろかで、せつない。2011/03/31
そら
2
上下巻とも読むと、ちょっと疲れた・・・でも、最後の終わり方はあっけなさ過ぎました。ここまでの内容からいくと、もっと違う、びっくりするような終わりを期待してしてたのですが・・・2012/01/24
じゅっちゃん
2
やっと読み切ったぞ!読後、続編あるよな~ですね。まだまだ、修行は続くのです。 これは、萬月氏のライフワークになるんじゃないかな。惟朔は萬月氏自身なのだから。 惟朔、最後は大学の教授になったりしてね。 私的には、和久井、愛ちゃん、パイプ、に対して惟朔の、萬月得意の暴力の破綻が有っても良かったかなと、ドキドキしましたが、今一、盛り上がりに欠けたかなと。それはそれで、又、しんどいのですが…。続編に期待します。2011/07/18
tom
2
これくらい疲れた本は、ほんとうに久しぶり。2011/06/08