内容説明
近年まで外国人の入域が禁止されていたスピティは、インド最北部、標高約４０００メートルに位置する聖域だ。少年は６歳で出家し、少女は堆肥や燃料用に家畜の糞拾いをする。段々畑、家族総出の農作業、恋が燃え上がる祭り。家族の濃い絆と篤い信仰心が、懐かしい日本の風景を呼び覚ます。カラー１２８頁を含む、約３年間の旅の記録。
目次
六歳の決断
ヤネ明けの祭り
風を呼ぶ口笛
小さな掌
ふたつの道
秋の放牧地で
冬ごもり
神と人を繋ぐ
馬を育む草
陰をつくるために
心の拠り所
郵便配達人
母国語を忘れた少女
頂の秘めたる恵み
スピティ的婚姻譚
最奧の村で
変わるもの、変わらないもの
ひとりひとりの祈りが
著者等紹介
謝孝浩［シャタカヒロ］
１９６２年長野県生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。在学中には探検部に所属し、パキスタン、スリランカ、ネパールなどに遠征する。卒業後は秘境専門の添乗員として世界中を巡り、その後フリーランスライターとなる。標高６０００メートルから海面下４０メートルまでのフィールドを飛び回る日々
丸山晋一［マルヤマシンイチ］
１９６８年長野県生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒。フリーランスとして出発し、現在は博報堂フォトクリエイティブに所属。謝氏とコンビを組んだ雑誌「シンラ」で連載した広告の仕事で、第４０回日本雑誌広告賞企画広告部門金賞を受賞
三原久明［ミハラヒサアキ］
１９６５年東京都生まれ。千葉大学工学部画像工学科中退後、フリーランスで雑誌を中心に活躍中。９５年度のＢＢＣのワイルドライフ写真大賞展に入選。海外取材の他、日本の美もテーマに京都などに通って作品を撮り続けている
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