内容説明
竹久夢二に画才と美貌を寵愛されていた岩田準一は１８歳の夏、ある男に出会う。男の名は平井太郎、後の江戸川乱歩だった。二人は許されぬ悦楽の世界に淫して『パノラマ島奇談』、『孤島の鬼』少年探偵団シリーズなどを創造し、そして二人の愛を結晶させようと誓い合った…。乱歩、エロ、グロの相貌を塗り替える、秘するほかなかった愛のかたちを孫娘が描き出した血涙の長篇小説。
著者等紹介
岩田準子［イワタジュンコ］
１９６７年、三重県鳥羽市生まれ。江戸川乱歩、竹久夢二らと深い親交のあった挿絵画家・民俗学者、岩田準一の孫。日本推理作家協会会員
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小雀✡ずーっと積読減強化月……
10
耽美小説以外の表現が見つからない。己の美しさを自画自賛し、他人を睥睨し、その割に精神的に不安定で浮き沈みが激しくて…キモッ💧と思いつつも、最後が気になって読んでしまった。岩田準一は己が好き過ぎて、乱歩を愛してると言うよりは乱歩を愛してると思ってる自分が好きなんじゃない？と感じた。表紙写真が本人だと思うと確かに綺麗な顔立ちだと思うが、ナルシストも此処までになるとキモ怖い…。 母の死以降は駆け足でザックリ過ぎる気がした。2022/11/01
りず
5
どこまでが真実なのかを考えるとドキドキしてしまう…！「孤島の鬼」を読む前に手を出してみたけど、意外な乱歩像過ぎて正直戸惑っているwまた、これを書いたのが岩田の孫というのもビックリ。岩田の挿し絵にこんな関係が潜んでいたとしたら面白い。乱歩作品をもっとよく知りたくなった。2016/11/28
こまったまこ
2
かなり衝撃的でいちいち驚きながら読みました。岩田準一は南方熊楠つながりで知っていましたが、江戸川乱歩と精神的な同性愛関係を結んでいたとは知らなかったです。また彼の交友関係が後の著名人揃いで驚きました。彼も乱歩も相当な自信家であり自尊心が高くまた逆に臆病なところもあって、かなり厄介な性格をしているので二人だけの世界を構築しています。最後がどういう終わり方になるのか気になって読みましたが、ちょっとあれはないんじゃないかという結末でかなり不満でした。結局この二人も読者も騙されていたような印象が残りました。2012/09/30
ウンティ＠十五夜の読書会
2
孫娘…いいのかな出版しちゃって。結構読み手を選ぶ本。男性には向かないな。著名人が多々登場するのが楽しい。やっぱり新手のＢＬとして読むのが正しいかも。2012/04/08
真中優津樹
1
再読。これも福永氏のあれと一緒で小説と割り切って読むのがいいのかなと思う。普通に面白かったけども主人公の準一が自分を美しいって思ってる所が苦手だよ、と思いつつも才能溢れる人はそうなのかもなって納得もしてしまったり。意外な人物と交流があるのがちょっと楽しい。 乱歩先生の作品を読むなら是非BGMは人間椅子で。2018/02/19
